今回は野菜の名前に関する話題です。私達の身の回りでは普段から多くの野菜が流通していますが…「野菜」と呼ばれている通り、名前に「菜」が付くものも多く見かけます。
私であればまず白菜や水菜を連想しそうですが、この他にも高菜や野沢菜など、さまざまな名前を挙げることができます。実際のところ、これらの野菜達はどのような経緯で名付けられたのでしょうか。
「菜」の定義について
菜(な)には「食用の植物」という意味合いがあり、主に葉や茎を食用とする野菜を指します。特にアブラナ科アブラナ属に属する野菜を「菜」と定義することが多く、これらの花は「菜の花」と呼ばれます。「菜の花」と言われるとアブラナやセイヨウアブラナをイメージしてしまいますが、実際にはアブラナ科アブラナ属に属する白菜、キャベツ、ブロッコリー、カブなども含まれます。
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名前に「菜」が付く野菜一覧
タイトルにもある通り、名前に「菜」が付く野菜とその名前の由来について五十音順で整理してみました。なお名前の由来が複数ある野菜に関しては、代表的な説のみを記載しています。
◎油菜(あぶらな)
→種子から油を採る目的で栽培されるため
◎甘菜(あまな)
→鱗茎にほのかな甘味を持つため
◎貝割菜(かいわりな)=貝割れ大根
→双葉が二枚貝の開いた姿に似ているため
◎かつお菜(かつおな)
→旨味成分が多く、カツオの出汁がなくても美味しいため
◎芥子菜(からしな)
→種子や葉に辛味を持つため
◎甘菜(かんさい)=サトウダイコン
→根に甘味を持つため
◎菊菜(きくな)=春菊
→葉が菊(の葉)に似ているため
◎京菜(きょうな)=水菜
→京野菜を代表する青菜であるため
◎空芯菜(くうしんさい)
→茎の内部が空洞になっているため
◎小松菜(こまつな)
→東京都・小松川界隈で作られていたため
◎搾菜(ざーさい)
→漬物に加工する際、水分を搾り出すため
◎サラダ菜(さらだな)=レタスの一種
→サラダに使う目的で栽培されるため
◎山東菜(さんとうさい)
→中国・山東省を原産とするため
◎杓子菜(しゃくしな)
→葉の形が杓子(しゃもじ)に似ているため
◎蓴菜(じゅんさい)
→漢名の蓴(チュン)が訛って「じゅん」と呼ばれるようになったため
◎諸葛菜(しょかつさい)
→諸葛孔明(しょかつこうめい)が出陣の先々で種をまき、兵士の食糧となるよう栽培したため
◎芯取菜(しんとりな)
→芯の部分をお吸い物に利用していたことから
◎鈴菜(すずな)=カブ
→根が鈴のような形をしているため
◎塌菜(たあさい)
→地面を這うように葉を広げるため
◎大根菜(だいこんな)
→大きな根を持つため
◎高菜(たかな)
→草丈1m以上に高く成長するため
◎玉菜(たまな)=キャベツ
→葉が丸く結球するため
◎青梗菜(ちんげんさい)
→茎が緑色のため(=青梗)
◎甜菜(てんさい)=サトウダイコン
→根に甘味を持つため
◎野沢菜(のざわな)
→長野県・野沢温泉村で作られていたため
◎野良坊菜(のらぼうな)
→年貢を免れるため「野良で坊さんがぼーっと立っているように、何の役にも立たない草」と説明していたため
◎白菜(はくさい)
→成長とともに白い葉柄の部分が伸びるため
◎鹿尾菜(ひじき)
→見た目が鹿の尾に似ているため
◎広島菜(ひろしまな)
→広島県で作られていたため
◎吹立菜(ふきたちな)
→春を迎えると花軸が一斉に伸びるため
◎水菜(みずな)
→肥料を用いず、畝(うね)の間に水を引き入れて栽培するため
◎壬生菜(みぶな)
→京都府・壬生地方で栽培されていたため