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【雑談】名前に「菜」が付く野菜一覧とその由来について - アタマの中は花畑
2つ前の記事で「名前に菜が付く野菜」についてご紹介しましたが、今回はその中から甜菜(テンサイ)・甘菜(カンサイ)について取り上げたいと思います(※以降はテンサイと記載します)。砂糖の原料と言えばまずサトウキビを連想される方が多いかもしれませんが、テンサイからも同様に砂糖を作ることができます。甘味を含むことから砂糖大根と呼ばれることもあるのですが…実は大根とは全く異なる野菜なのだそうです。
テンサイの概要
科・属名:ヒユ科フダンソウ属
種別:二年草
花色:黄
花期:7月
収穫期:10〜11月
原産:地中海沿岸〜中央アジア
別名:サトウダイコン(砂糖大根)、カンサイ(甘菜)など
花言葉:─
◎特徴:
ビート(ビーツ)の砂糖用品種の総称で、地中海沿岸〜中央アジアを原産としています。寒冷地作物と言われるほど寒さに強く、日本では北海道を中心に栽培されています。丸い根の部分に甘味成分を含み、絞った汁を煮詰めることで砂糖を抽出することができます。テンサイから抽出した砂糖は甜菜糖と呼ばれ、日本の砂糖生産量の3/4、砂糖消費量の1/4を占めています。
実は大根ではなかった!?
冒頭でも触れた通り、テンサイは砂糖大根と呼ばれることがあります。しかしながら、テンサイはヒユ科フダンソウ属、大根はアブラナ科ダイコン属に属しているため実際には全く異なる植物です。ただ、丸々太った根が大根に見えることなどから「砂糖大根」と呼ばれるようになったのだそうです。
では、テンサイはどんな野菜の仲間なのかと言うと…実はほうれん草の仲間なのだそうです。ほうれん草もヒユ科(ホウレンソウ属)に属する野菜で、葉の形状は何となくテンサイに似ているような気がします。
▲ほうれん草(参考)
テンサイはそのままでも食べられるの?
砂糖の原料となるくらい甘味成分を含んでいるのであれば、きっとそのまま調理しても美味しいはずです。…と思ったのですが、実際には生食・調理に全く向いていません。そのまま食べると甘味こそ感じるものの、アクを多く含むため土臭さに似た不快感の方が強いと言われています。仮に煮込んだとしてもアクが強く、やはり美味しくないようです(※砂糖の製造にあたっても、煮汁からアクを取り除く作業が必須となります)。
それであれば、テンサイではなく食用のビート(ビーツ)をいただいた方が良さそうですね。