スマホの容量が無くなったため過去の写真を整理していたところ、年末年始に撮影したマンリョウ(万両)の写真が出てきました。万両という名称は、後述するセンリョウ(千両)よりも実が大きく、数も多いことから名付けられたと言われています。
この万両や千両に加え、実の数や扱われ方によってヒャクリョウ(百両)、ジュウリョウ(十両)、イチリョウ(一両)と呼ばれる植物もそれぞれ存在します。…と、ここまでは過去の記事でもご紹介したのですが、何とこの上にあたる「オクリョウ(億両)」も実在するのだそうです。
一両・十両・百両・千両・万両の概要
まずは、過去の記事から引用する形で一両・十両・百両・千両・万両の概要をまとめておきたいと思います。それぞれ赤い実を付ける点は共通しているのですが、百両〜万両に関しては白や黄の実を付ける品種も存在します。
◎一両(イチリョウ)
・別名:アリドオシ(アカネ科アリドオシ属)
・実の色:赤
・名前の由来:万両や千両とともに「千両万両有り通し」として植えられ、縁起物として扱われたため。
◎十両(ジュウリョウ)
・別名:ヤブコウジ(サクラソウ科ヤブコウジ属)
・実の色:赤
・名前の由来:百両より実が少ないため。また実の美しさが金十両に値するとされていたため。
◎百両(ヒャクリョウ)
・別名:カラタチバナ(サクラソウ科ヤブコウジ属)
・実の色:赤、白
・名前の由来:江戸時代に流行した園芸品種が百両単位の値段で取引されていたため。
◎千両(センリョウ)
・別名:クササンゴ(センリョウ科センリョウ属)
・実の色:赤、黄
・名前の由来:百両より多くの実を付けるため。また万両より実が少ないため。
◎万両(マンリョウ)
・別名:ヤブタチバナ(サクラソウ科ヤブコウジ属)
・実の色:赤、白
・名前の由来:千両よりも実が赤く大きいため。また千両より多くの実を付けるため。
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オクリョウ(億両)の概要
先程ご紹介した一両・十両・百両・千両・万両に加え、ミヤマシキミのことをオクリョウ(億両)と呼ぶことがあります。ここでは、オクリョウの概要についてもご紹介します。
科・属名:ミカン科ミヤマシキミ属
種別:常緑低木
樹高:50cm〜1.5m程度
花期:3〜5月
花色:白
実の色:赤
原産:日本
別名:深山樒(ミヤマシキミ)など
花言葉:寛大、清純など
◎特徴:
日本原産の常緑低木で、主に関東〜九州地方の山林に分布しています。葉の形状がシキミ(マツブサ科シキミ属)に似ており、かつ山林でよく見かけることからその名が付けられました。葉や実には有毒成分(シキミアミン)を含み、誤食すると痙攣や心筋麻痺を引き起こすこともあります。
よく似た植物としてスキミアが挙げられますが、こちらはミヤマシキミをヨーロッパで品種改良したものです。
「億」と呼ばれるのはなぜ?
ミヤマシキミがオクリョウ(億両)と呼ばれるようになった理由としては、実の大きさが挙げられます。かつては本種を万両として扱っていた時期もあったようですが、現在の万両に比べて実が大きいことなどから、万両に対比させる形で「億両」と呼ばれるようになった説が有力です。実際のところ、万両の実が直径6〜8mm程度なのに対し、億両の実は直径1cmを超えることもあります。
(※ちなみに「もしや」と思い調べてみましたが、さすがに兆両・京両・垓両…無量大数両なる植物は実在しませんでした)
花木 庭木の苗/スキミア(ミヤマシキミ・深山樒):タンセリージェン4号ポット