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前回のメープルシロップに続き、今回もキッチンで見かける調味料について取り上げてみたいと思います。今回取り上げるのは、和食には欠かせないこちらのポン酢です。
何となく「酸っぱい醤油」のようなイメージを持ってしまうのですが、実は果物の果汁が原料として用いられています。数ある果物のうち、ポン酢に入っているのはどんな果物なのでしょうか?
ポン酢とは?
ポン酢とは、柑橘類の果汁に酢を加えた調味料のことを指します。柑橘類の果汁だけでも十分に酸味が強いのですが、保存性を高める目的で酢も加えています。オランダで嗜まれていた食前酒のポンス(pons、蒸留酒に柑橘類の果汁を加えたカクテルの一種)が起源だとされ、17世紀に出島(長崎県)に伝わった後、味を変えながら日本の調味料として定着していきました。
なお私が冒頭で取り上げた黒っぽい調味料も「ポン酢」として認知されていますが、厳密には味付きポン酢(またはポン酢醤油)と呼ぶのだそうです。こちらは前述のポン酢に醤油や出汁を加え、味を整えたもののことを指します。
ポン酢にはどんな果物が使われているの?
ここまでの内容を踏まえると、ポン酢は柑橘類の果汁を原料としているものの、その品種については特に指定されていないようです。ただ以下の品種に代表されるように、柑橘類の中でも特に酸味の強いものが選ばれている印象です。
・ユズ
・スダチ
・カボス
・レモン
・ライム
・オレンジ
・シークヮーサー
・ユコウ など
ユコウ(柚香)の概要
お恥ずかしいことに、先程挙げた柑橘類のうちユコウのみあまりピンと来ませんでした。。。そこで、ユコウの概要についても調べてまとめてみることにしました。
(※掲載可能な写真が見つからなかったため、ここでは画像を割愛しています)
科・属名:ミカン科ミカン属
種別:常緑小高木
花色:白
花期:5月
収穫期:10〜11月
原産:日本
別名:─
花言葉:─
◎特徴:
ユズの変種で、ダイダイとの自然交雑によって誕生したと言われています。ユズに比べて果実が大きく、かつ香りが強いことからユコウ(柚香)と名付けられました。またユズやスダチに比べてまろやかな味わいを持つことから「香りのユズ」「酸味のスダチ」「味のユコウ」と言われることもあります。
国内生産量の99%以上を徳島県が占めており、ほぼ全てがポン酢などの加工用として利用されています。果実のままで店頭に並ぶことがほとんどないため、「幻の果実」と呼ばれることもあります。
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