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【初心者】ハンギングバスケットの作り方〜花をお洒落に飾ってみたい!〜 - アタマの中は花畑
2年ほど前のことになりますが、我が家の玄関先にビオラのハンギングバスケットを飾っていた時期がありました。(バスケット部分が壊れてしまったため)今シーズンは作っていないのですが…当時は複数の株を寄せ植えすることで、1つの鉢で何色もの花を楽しめるように工夫していました。
とは言え、結局のところは1株につき1色の花しか咲かせることができません。例えば、1株の中で複数色の花の咲き分けができれば(※)楽しみ方のバリエーションも増えそうですが…そもそもそんな植物は実在するのでしょうか?
※複数種類の枝を接ぎ木することでも実現可能ですが、ここでは対象外としています。
複数色の花の咲き分けは可能?
冒頭で触れた「1株の中で複数色の花の咲き分けができる植物」についてですが、実は私達の身近なところにも存在します。例えば「枝変わり」と呼ばれる株に関しては、特定の枝のみ異なる性質の花を咲かせます。そのため、1株の中で全く異なる色の花を同時に楽しむことができます。
ちなみに…枝変わりに該当する株のうち、1株の中で赤と白の花を咲かせるものを「源平咲き」と呼ぶこともあります。これは平安時代の源平合戦の際、源氏の旗が白、平氏の旗が赤だったことに由来しています。
今回は花色に着目して取り上げていますが、枝変わりによる性質の変化はさまざまです。主だったところでは以下が挙げられ、花だけではなく葉や実にも影響を及ぼすことがわかります。
・花色の一部、または全てが変わる
・葉の見た目や大きさが変わる
・葉の模様(斑など)が変わる
・実の色や収穫時期が変わる
・病害虫への耐性が変わる など
「枝変わり」が発生する要因は?
枝変わりが発生する要因は、植物の突然変異によるものだと言われています(※詳細な発生メカニズムについてはまだ解明されていないようです)。具体的には、芽の成長点の細胞が突然変異を起こすことで、その個体が元々持っている遺伝的特徴とは異なる性質を示すようになります。一般的に、植物に関しては成長点の先へ先へと成長していくため、突然変異が発生した成長点より先は全て同じ性質となります。「枝変わり」という名の通り、特定の枝だけ花色が異なる樹木をよく見かけますが、これは枝元の細胞が突然変異を起こしたためだと考えられます。
また枝変わりした部分を挿し木(栄養繁殖)した場合、そこから発根した株に関しても突然変異後の遺伝的特徴を引き継ぎます。この性質を利用することで、近年さまざまな新品種が生み出されています(カキ、ミカン、リンゴなど)。
枝変わりしやすい植物とは?
「枝変わりした植物」と言われるとまずは梅を思い浮かべる私ですが、実際には多くの植物で枝変わりが発生します。少し調べてみただけでも、以下の植物の枝変わりを確認することができました。
・ウメ(梅)
・カキ(柿)
・サクラ(桜)
・サツキ(皐月)
・ツバキ(椿)
・ナシ(梨)
・バラ(薔薇)
・ブーゲンビリア(ブーゲンビレア)
・ポトス
・ミカン(温州みかんなど)
・モモ(桃)
・リンゴ(リンゴ)など
【余談】ツートンカラーのみかんも突然変異?
枝変わりとは少し異なりますが、本ブログで私が使用しているこちらのみかん(※2015年1月撮影)についても、突然変異によって皮の一部が変色したと考えられます。ちなみに、このようなツートンカラーのみかんのことを「キメラみかん」と呼ぶのだそうです。