アタマの中は花畑

小さな花壇と家庭菜園を手に入れたガーデニング初心者の日々

【皐月】サツキの葉が変な形に膨らむのはなぜ?

ゴールデンウィークの後半4日間にかけて、愛知県の実家に帰省してきました。毎年この時期は家族総出で田植えを行っているのですが、区画整備などの理由により今年で最後となってしまいました。幼少期から見慣れていた光景が失われるのは、なかなか寂しいものがありますね。

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一方で、幼少期と同じ光景が未だ残っている場所も多々あります。例えば、実家の玄関先に植えているサツキ(サツキツツジ)は、毎年5月頃に鮮やかなピンク色の花を咲かせてくれます。

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そしてこの時期は綺麗な花に加え、変な形に膨らんだ葉を見かけることもあります。普通の葉とは明らかに見た目が異なるのですが、一体なぜこのような形になってしまうのでしょうか?

 

 

サツキ(皐月)の概要

※ここではサツキツツジの概要を記載します。

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科・属名:ツツジ科ツツジ属

種別:常緑低木

花色:赤紫、ピンク、白、赤など

花期:5〜6月

原産:日本

別名:サツキツツジ、エイサンコウ(映山紅)など

花言葉:節制など

◎特徴:

ツツジ科ツツジ属の常緑低木で、日本では関東地方〜九州地方南部にかけて広く自生しています。開花期が旧暦の5月(現在の5〜6月頃)にあたることから、その名が付けられました。強剪定に強く、かつ耐寒性も併せ持つことから古くから庭木としても親しまれています。

◎サツキの概要は下記記事からの引用です

【躑躅・皐月】ツツジとサツキの違いについて〜両者の特徴・見分け方は?〜 - アタマの中は花畑

 

変な形に膨らんだ葉を発見!

冒頭で私が触れた「変な形に膨らんだ葉」というのがこちらです。付いている場所的に葉であることは間違いなさそうなのですが、通常の葉と比べると色も大きさも全く異なることがわかります。

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試しに、膨らんだ葉を1枚採取してみました。中央付近に葉脈のような筋は見えるものの、この写真だけを見て「サツキの葉」だと判別できる方はかなり少ないのではないでしょうか。

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触った際の感触は多肉植物に近く、2つに折ってみると中には水分がたっぷり詰まっていました。美味しそうに見えなくもないですが、(正体がわからないので)もちろん食べるのは見送りました。
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サツキの葉が膨らむのはなぜ?

葉が変な形に膨らむ現象と言えば、真っ先に「虫こぶ」が思い浮かびます。虫こぶとは昆虫やダニの寄生によって植物の一部が異常成長し、こぶ状に変形した部分のことを指しますが…今回のサツキの場合は「もち病」と呼ばれる現象に起因しています。
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もち病とは担子菌に属するカビによって引き起こされる病気で、ツツジ類とツバキ類だけに発生します。発生しやすいのは春と秋で、発症すると葉や蕾が異常な形に膨らみます(※葉が変形する点は虫こぶとも共通していますが、虫起因ではない点で異なります)。その際の見た目が焼いた餅のように見えることから「もち病」と名付けられました。発症初期は葉や蕾の一部が膨らむだけですが、症状が進むと表面がカビに覆われ、白っぽい色に変色します。その後、胞子の飛散を終えると全体が干からび、最後には枯れてしまいます。

 

もちろん植物の生育には良くないため、早めに対策を講じる必要があります。薬剤の散布が一般的ですが、変形した部分を摘み取って処分してしまうのも手っ取り早い方法です。胞子を飛散させてしまうと他の場所でも発症してしまう恐れがあるため、白く変色する前に対策を済ませることが肝心だと言われています。


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