自宅〜最寄駅までの通勤経路上に、毎年ヒルガオが開花するスポットがあります。今シーズンも厳しい暑さが続きましたが、そんな中でも絶えず花を咲かせ続けていた印象です。
比較的海から離れた地域に住んでいることもあり、我が家周辺で見かけるのはこのヒルガオのみです。ただ、浜辺に足を運ぶと見た目のよく似たハマヒルガオを見つけることができます。
名前からして浜辺に咲いているものがハマヒルガオで、そうでないものがヒルガオのような気もしますが…元々両者は同じ植物なのでしょうか?
ヒルガオの概要
科・属名:ヒルガオ科ヒルガオ属
種別:多年草
花色:ピンク
花期:6〜9月
原産:日本
別名:コシカ、アオイカズラなど
花言葉:絆、友達のよしみ、縁など
◎特徴:
日本原産の多年草で、北海道〜九州地方の広い範囲に分布しています。朝顔に似た花を咲かせるものの、(朝顔とは異なり)朝から夕方にかけて咲き続けます。日中でも花が萎まないことから、朝顔と区別する目的でヒルガオ(昼顔)と名付けられたとされています。
通常は地下茎で増えていきますが、種を使って株を増やすことも可能です。但し自家受粉をしないため、種を作るためには異なる株の花粉を必要とします。
ハマヒルガオの概要
科・属名:ヒルガオ科ヒルガオ属
種別:多年草
花色:ピンク
花期:5〜6月
原産:世界中の温帯〜熱帯地域
別名:─
花言葉:絆など
◎特徴:
世界中の温帯〜熱帯地域を原産とする多年草で、日本では小笠原諸島を除く全国各地に分布しています。砂浜に自生する典型的な海浜植物ですが、川岸や湖岸でも稀に見かけることがあります。5〜6月頃に白い線の入ったピンク色の花を咲かせますが、朝に開花した後、その日の夕方には萎んでしまいます(一日花)。また、砂の中へ伸ばす地下茎が絡み合いながら生長する様子から「絆」などの花言葉が付けられました。
なお、温帯地域ではハマヒルガオが多く自生している一方で、亜熱帯〜熱帯地域では花色が濃いグンバイヒルガオの方をよく見かけるようになります。
▲グンバイヒルガオ(参考)
ヒルガオとハマヒルガオの違いは?
ヒルガオとハマヒルガオはどちらもヒルガオ科ヒルガオ属に属しており、広い意味では同じ仲間の植物です。但し、両者は元々同じ植物だった訳ではなく、進化の過程も含めて性質が異なると言われています。具体的には以下に挙げる点が異なります。特にハマヒルガオの茎や葉に関しては、厳しい海岸環境に適応した種として進化してきたことがわかります。
◎ヒルガオの特徴(写真左)
・主に野原や草原に分布する
・6〜9月頃に開花する
・ハマヒルガオに比べてやや花が小さい
・上へ上へとつるを伸ばす(つる性植物)
・葉は薄く、細長い形状をしている など
◎ハマヒルガオの特徴(写真右)
・主に海岸の砂浜に分布する
・5〜6月頃に開花する
・ヒルガオに比べてやや花が大きい
・砂浜の上を這うように茎を伸ばす(匍匐性植物)
・葉は肉厚で、丸みを帯びた形状をしている など