昨日、晩ご飯を作る際に塩胡椒を使ったところ、久しぶりにくしゃみをしてしまいました。胡椒と言えば、吸い込むことで鼻をムズムズさせ、くしゃみを誘発させる印象がありますよね。
(※写真はイメージです)
「鼻に異物(胡椒)が入り込むことで、くしゃみを誘発させる」というところまでは分かるのですが…胡椒以外の香辛料に関しては、そのような話をあまり聞いたことがありません。数ある香辛料の中で、胡椒だけがくしゃみ引き起こすのは一体なぜなのでしょうか?
コショウ(胡椒)の概要
科・属名:コショウ科コショウ属
種別:多年草
花色:薄黄
花期:6〜10月
収穫期:8〜11月
原産:インド
別名:ペッパーなど
花言葉:─など
◎特徴:
インド原産のつる性多年草で、日本へは奈良時代に渡来しました。渡来当初は主に薬として利用されていましたが、室町時代以降は徐々に香辛料として認知されるようになりました。
香辛料として用いられるのは果実で、特有の強い香りと辛味(ピペリン)を持ちます。日本に限らず、世界のさまざまな料理に利用されていることから「香辛料の王様」と呼ばれることもあります。
胡椒を吸い込むとくしゃみが出るのはなぜ?
胡椒にはピペリンと呼ばれる特有の辛味成分が含まれていますが、実はこの成分こそがくしゃみを誘発する原因だと言われています。空中に飛散した胡椒を鼻から吸い込み、鼻の粘膜に付着することで、ピペリンが知覚神経を直接刺激します。その結果、くしゃみや鼻水を誘発してしまうのだそうです。特に家庭用の白胡椒は粒が細かく、空中に飛散しやすいため注意が必要です。
なお胡椒(ピペリン)によるくしゃみや鼻水は反射作用によるものであり、身体への直接的な害はありません。それでも気になる場合は、マスクを着用することである程度は防げるようです(※マスクの網目よりも細かい粒子は通過してしまうため、過信は禁物ですが…)。
【余談】胡椒の色と特徴について
一言で「胡椒」と言っても色はさまざまで、主だったものだけでも白、黒、緑、ピンクの4種類が挙げられます。ここでは、それぞれの用途や違いについても簡単に整理してみました。このうちピンク(ピンクペッパー)に関しては原料となる植物自体が異なりますが、その他の3色については同じ植物を原料としています。
◎白胡椒(ホワイトペッパー)の特徴
・胡椒の実が完熟してから収穫して発酵させた後、皮を取り除いて中の白い核部分のみを乾燥させたもの
・黒胡椒より芳香は少なく、マイルドで上品な香りが特徴
・魚料理、シチュー、中華料理などに用いられる
◎黒胡椒(ブラックペッパー)の特徴
・胡椒の実が未熟なうちに収穫し、皮付きのまま長時間かけて乾燥させたもの
・強い芳香と辛味が特徴
・肉料理、パスタ、リゾットなどに用いられる
◎グリーンペッパーの特徴
・胡椒の実が未熟なうちに収穫し、皮付きのまま短時間で乾燥させたもの
・爽やかな香りと辛味が特徴
・エスニック料理、シーフード料理、サラダなどに用いられる
◎ピンクペッパーの特徴
・コショウボク(ウルシ科サンショウモドキ属)またはセイヨウナナカマド(バラ科ナナカマド属)の実を乾燥させたもの
・辛味を持たず、フルーティーな風味が特徴
・サラダ、カルパッチョ、デザートなどに用いられる