おそらく、これが2025年最後の記事になります。今年も本ブログへお越しいただきありがとうございました。少し早いですが、皆さまもどうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
さて今回は、年末年始に関連する話題を取り上げたいと思います。ブログを6年半も続けていれば流石に1回くらいは触れているかと思いきや…実はまだそば(蕎麦)についてしっかり取り上げたことがありませんでした。そばと言えば大晦日(12月31日)に食べる「年越しそば」でもお馴染みですが、そもそもなぜ大晦日にそばを食べるようになったのでしょうか？
ソバの概要
科・属名：タデ科ソバ属
種別：一年草
花色：白
花期：7〜10月(地域により異なる)
原産：中国(諸説あり)
別名：ソバムギ、クロムギなど
花言葉：懐かしい思い出、喜びも悲しみも、あなたを救うなど
◎特徴：
中国を原産とする一年草で、日本ヘは縄文時代後期に渡来し、古くから栽培されてきました。痩せた土壌や冷涼な気候でも育つことから、米不足の際に栽培が推奨されるなど、救荒植物としても重要な役割を果たしています。穀類のように扱われますが、ソバ自体はイネ科ではなくタデ科に属するため、厳密には穀類ではありません(擬穀類)。
当初はそば粉を練った「そばがき」が一般的でしたが、江戸時代には麺として食べられるようになり、一般庶民の間にも流通していきました。原材料に対するそば粉の割合で呼び方が代わり、例えばそば粉100%でできた麺を「十割そば」、そば粉80%・小麦粉(または山芋)20%でできた麺を「二八そば」と呼びます。
大晦日に年越しそばを食べるのはなぜ？
大晦日(12月31日)に年越しそばを食べる風習は江戸時代中期に定着したと言われ、現在まで長きにわたって続いてきました。我が家でも必ず年越しそばを食べているのですが、なぜうどんやそうめんではなく、そばなのでしょうか？
調べてみたところ、年越しそばには縁起担ぎの意味合いが多く込められていることがわかりました。ここでは代表的な説をいくつかご紹介したいと思います。数ある麺の中からそばが選ばれているのは、その切れやすい性質に由来しているようです。
◎長寿、家運繁栄
・細くて長いそばには、長寿(＝長生きして欲しい)や家運繁栄(＝家族の運が長く続いて欲しい)の意味合いが込められています。
◎厄落とし、縁切り
・うどんやそうめんに比べてそばはグルテンの含有量が少なく、切れやすい性質を持ちます。この性質を踏まえ、厄落とし(＝今年一年の災難を切り捨て、翌年に持ち越したくない)や縁切り(＝今年の悪い縁を断ち切って新年を迎えたい)の意味合いが込められています。
◎金運上昇
・かつて、金銀細工士や金箔職人が金粉を集める際にそば粉を用いていたことから、金運上昇の意味合いが込められています。
◎健康祈願
・そばは厳しい環境下でもよく育ち、雨風の後もすぐに元気になることから、健康祈願の願いが込められています。
食べ残すと縁起が悪い！？
年越しそばを食べる時間帯については特に制約がなく、大晦日であれば朝食、昼食、夕食、夜食のいずれでも問題ありません。但し「今年一年の災難を切り捨てる」「今年の悪い縁を断ち切る」などの意味合いを踏まえると、年が明ける前に食べ終えた方が縁起が良いと考えられます。
なお、年越しそばを完食しないまま年を越してしまった場合、前述の災難や悪い縁を断ち切る意味合いが薄れてしまいます。さらに「金運に恵まれなくなる」「金に苦労する」「幸運が逃げる」などの言い伝えもあり、やはり新年の不運を招いてしまうようです。どこまで信じるかはその人次第ですが、年越しそばは適度な量に控え、年内に食べ切ってしまうのが無難かもしれないですね。
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