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少し前に投稿した記事の中で、1世帯あたりの果物消費量について触れました。この時期よく食べるみかんが3位、りんごが2位という結果だったのですが…1位が一体何だったのかご存知でしょうか?
映えある1位に輝いたのが、今回取り上げるバナナ(※)です。みかんやりんごに比べると日本でのバナナ栽培地域はごく限られているのですが…海外産が多く出回っているため、今では一年中美味しいバナナをいただくことができます。
※以前の記事でバナナが「野菜」に含まれることを取り上げましたが、今回のランキングでは果物(果実的野菜)としてカウントされているようです。
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さて、バナナといえば追熟可能な果物としても知られています。購入したバナナをしばらく放置しておくと、下の写真のような黒い斑点が表れることがあります。この斑点はシュガースポットとも呼ばれ、完熟したバナナの目安にもされています。
今回はこのシュガースポットの正体について少し調べてみることにしましょう。
シュガースポットとは?
シュガースポットとはバナナの果皮に表れる黒い(茶色い)斑点のことで、完熟した甘いバナナの目印としても用いられることからその名が付いたとされています。
シュガースポットはなぜ表れるのか?
では、このシュガースポットはなぜバナナの果皮に表れるのでしょうか?
バナナは追熟(収穫した後も成長を止めず熟していく性質)を持つ果物としても知られています。緑色のバナナを放置しておいたら、いつの間にか黄色になっていた!という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この追熟に欠かせないのがバナナの呼吸です。バナナは収穫した後も呼吸を続けており、呼吸によってポリフェノールの含有量が徐々に増加していきます。その後、このポリフェノールが酸化することで黒っぽい色に変化し、結果として果皮に黒い斑点(シュガースポット)が表れます。
バナナが腐ってしまったのでは?
(小さい頃の私もそうだったのですが)シュガースポットが表れたバナナは腐ったものだと思い込み、食べること自体を敬遠されている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、それは大きな誤解です。シュガースポットが表れたバナナは腐ってしまった訳ではなく、むしろ最も甘い状態になったことを示しています。
追熟の過程でシュガースポットが表れることについては先程触れましたが、それと並行して果肉に含まれるデンプンが糖分へと変換されています。そして、ちょうどシュガースポットが表れる頃に糖分の量が最大となり「甘い完熟バナナ」ができあがります。完熟バナナは甘いだけではなく、ポリフェノールの含有量も増えているため栄養満点です。
なお、バナナをさらに放置していると果皮・果肉ともに全体的に黒ずんでしまいます。この状態に変わると食べられなくなってしまうため、綺麗なシュガースポットが表れているうちに食べてしまうことをお勧めします。