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現在、家庭菜園の片隅でジャガイモ(インカのめざめ)を育てています。今シーズンはマルチを被せずに栽培しているのですが、過去にはマルチを被せたこともあります。
▲2年前に栽培したジャガイモ(参考)
野菜を育てるにあたりよく耳にする「マルチ」と呼ばれるシートですが、土の上に被せることでどのような効果が得られるのでしょうか?今回はそんなマルチに関する話題です。
マルチとは?
マルチとは、畑の畝(うね)をビニールシートや藁で覆う「マルチング (Mulching) 」を略した言葉です。この際に使用するシートのことを単にマルチ(またはマルチシート、マルチフィルムなど)と呼ぶことも多いです。
※なおマルチと聞くと「マルチ商法」や「複数(multi-)」なども連想されますが、これらとは語源が異なります。
マルチの役割とは?
そんなマルチですが、土にシートを被せるだけでかなり多くの効果を得ることができます。ここでは得られる効果・役割について、代表的なものをいくつかまとめてみました。一言で表すなら「さまざま外的要因から苗を守り、野菜の成長を促進する効果がある」といったところでしょうか。
①土壌の乾燥を防ぐ
マルチを被せることで、土壌に含まれる水分の蒸発を防ぐことができます。特に水分不足に陥りやすい夏季は、マルチングによって根の傷みを抑える効果も得られます。
②土壌が固くなるのを防ぐ
マルチは内側からの水分の蒸発だけではなく、外側からの過度な水分(雨粒など)の流入も防ぐことができます。水分が流入すると土壌が固まり、職場の生育を阻害する場合もありますが、マルチを被せればその心配は少なくなります。
③土壌の流出を防ぐ
マルチによって内側の土壌を囲み込むことにより、雨風による土壌の流出を防ぐことができます。土壌の流出により畝が崩れると植えていた野菜が根こそぎ倒れてしまう場合もありますが、マルチはそのような被害も防いでくれます。
④雑草の発生を防ぐ
マルチの上では雑草の種は育たないため、結果として雑草の発生を防ぐことができます。元々雑草の種が混入している土壌であっても、マルチで囲い込んでしまえば、そこから雑草が成長する可能性は低くなります。
⑤病気や害虫の発生を防ぐ
②にも関連しますが、マルチによって雨粒が土壌に当たることがなくなるため、(雨粒の跳ね返りにより)葉の裏側が土で汚れることもなくなります。葉が汚れていると病害虫の発生を誘発するため、結果として病害虫によるリスクを抑えることができます。
⑥急激な温度変化を防ぐ
マルチは保温効果を持つため、土壌の急激な温度変化を防ぐことができます。植え付けたばかりの野菜の苗は温度変化に弱いこともあるため、マルチによって植え付け後の生育を促進する効果が得られます。
色によって役割は違うの?
私にとってはマルチ=黒のイメージが強いですが、世の中には透明・緑・銀などのマルチも存在します。実は、この色によっても得られる役割が少しずつ異なるのだそうです。少し調べてみたところ、主な違いは以下のとおりでした。
◎透明のマルチ
・地温を上昇させる効果が最も高い。夏場は地温が上がり過ぎてしまうため、マルチの上から藁を被せるなどの一手間が必要。
・日光を通すため、雑草の抑制効果は低い。
◎緑色のマルチ
・地温を上昇させる効果は高く、透明マルチよりもやや劣る程度。
・日光をある程度通すため、雑草の抑制効果は多少期待できる。
◎黒色のマルチ
・最も一般的なマルチ。地温を上昇させる効果は高く、緑色マルチよりもやや劣る程度。地温よりもフィルム自体の温度が上がりやすいため、夏場は苗の葉を傷めてしまうこともある。
・日光をほとんど通さないため、雑草の抑制効果は高い。
◎銀色のマルチ
・日光を反射するため、地温を上昇させる効果は低い。日光の反射により、アブラムシなどの害虫の飛来を防ぐ効果もある。
・雑草の抑制効果は緑色マルチと同程度。
◎白色のマルチ
・日光をよく反射するため、地温を上昇させる効果は銀色マルチよりもさらに低い。
・雑草の抑制効果は緑色マルチと同程度。
◎白と黒のマルチ
・表面が白、裏面が黒のマルチ。
・白(日光の反射)と黒(日光の遮断)の両方の特徴を持ち、地温を上昇させる効果は最も低い。加えて雑草の抑制効果も併せ持つ。
◎銀と黒のマルチ
・表面が銀、裏面が黒のマルチ。
・銀(日光の反射)と黒(日光の遮断)の両方の特徴を持ち、地温を上昇させる効果は低い。加えて害虫の飛来防止効果も併せ持つ。
我が家の狭い家庭菜園ではマルチを使用する機会自体が限られるため、使い分けまでは難しいかもしれません。ただ周辺の広い畑では使い分けをしていることもあるため、今度参考にしてみようと思います。