アタマの中は花畑

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【桧風呂】杉(スギ)や松(マツ)ではなく桧(ヒノキ)が用いられるのはなぜ?

先日旅行に出掛けた際、温泉施設で桧風呂に入る機会がありました。桧風呂といえばその香りが特徴で、湯に浸かっているだけでリラックスさせてくれるような気がします。

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(※写真はイメージです)

 

今回はそんな桧風呂に関する話題です。香りの良い樹木であれば杉(スギ)や松(マツ)なども候補に挙がるはずですが、お風呂で見かけるのは大抵桧(ヒノキ)製の湯船です。そもそもなぜ杉や松ではなく、桧が用いられるようになったのでしょうか?

 

 

桧(ヒノキ)の概要

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科・属名:ヒノキ科ヒノキ属

種別:常緑高木

花色:─

花期:3月下旬〜4月中旬頃

原産:日本

別名:ヒバ、ホンヒなど

花言葉:不老、不死、不滅など

◎特徴:

日本固有の針葉樹で、本州〜九州の太平洋側を中心に広く自生しています。雪の多い地域や傾斜面をあまり好まないため、スギに比べると分布域はやや狭めです。スギと同様に木材として重宝され、日本の人工林の約7割がスギまたはヒノキだと言われています。

花期は3月下旬〜4月中旬頃で、スギ花粉がピークを過ぎた頃から徐々に飛散し始めます。

 

◎桧の概要は下記記事からの引用です

【花粉症】スギやヒノキの花粉飛散量はどうやって予想しているの? - アタマの中は花畑

 

桧風呂の効果・メリット

桧風呂について調べてみたところ、桧ならではの効果やメリットがたくさんあることがわかりました。ここでは主だったものをいくつかご紹介したいと思います。

 

①リラックス効果が得られる

桧をはじめとした木材にはフィトンチッドと呼ばれる香り成分が含まれています(※ホームセンターの材木コーナーなどで漂う香りもこのフィトンチッドによるものです)。フィトンチッドは害虫や微生物から身を守るために木自身が発するもので、虫や微生物にとっては苦手な香りでも、私達人間にとってはリラックス効果が得られることがわかっています(自律神経の安定、脳の沈静化、血圧の低下など)。

フィトンチッドの含有量は桧をはじめとした針葉樹に多く、桧の場合は伐採・加工された後でも成分を発散し続けるのだそうです。そのため、浴槽に加工しても長くリラックス効果を得ることができます。

 

②防虫・抗菌作用を持つ

先程のフィトンチッドのほか、桧に含まれる精油成分も防虫・抗菌作用を持ちます。水回りとなるとどうしてもカビなどが付き物ですが、桧であれば(他の木材に比べて)カビの発生を抑制することができます。さらに防ダニ・防アリの効果も発揮するため、浴槽の材料として非常に適しています。

 

③水に強い

浴槽の材料として用いる場合は水への耐久性が求められますが、桧は数ある木材の中でも水に強いことが知られています。さらに調湿効果も兼ね備えているため(=木材自身が水分を吸収したり放出したりするため)、浴室内の湿度を適切に保つことも可能です。毎日のように水に濡れる浴槽だからこそ、桧は打って付けの材料なのかもしれません。

 

④消臭効果が高い

防虫・抗菌作用だけでなく、消臭効果が高い点も桧の特徴です。使用に伴う桧自身のニオイを抑制するほか、桧風呂に入った人の体臭や汗のニオイも消臭する効果があります。

 

⑤耐久性が高い

桧といえば、耐久性が非常に高い木材としても有名です。よく例えとして挙げられるのが世界最古の木造建築物と言われる法隆寺(奈良県)で、建物を支える柱には桧が採用されています。建立から1300年以上が経過した現在でもその姿を保っているのは、桧の耐久性のおかげとも言われています。

 

⑥木目が綺麗で加工がしやすい

桧は真っ直ぐ上へ伸びる性質があるため、木目が綺麗で、かつ加工がしやすい点もメリットです。浴槽としての機能だけでなく、その見た目や取り扱いのしやすさも重要なポイントです。

 

杉や松ではなく桧が用いられるのはなぜ?

木材としての桧の特徴を6点ほど挙げましたが、香りや防虫・除菌効果、木目の綺麗さで言えば杉や松も負けず劣らずの性質を持ちます。それにも関わらず、杉風呂や松風呂ではなく桧風呂ばかりを見かけるのは一体なぜなのでしょうか?

 

実は、今回挙げた6点をバランス良く満たす要素こそが桧だと言われています。杉や松にもそれぞれ優れた点はあるのですが、浴槽として最も総合力に優れるのが桧というわけです。

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家庭で「桧風呂」を楽しむためには?

そんな桧風呂に今すぐ入りたい!と思っても、自宅に桧風呂を作るのはあまり現実的ではありません。桧製の浴槽に入るのはさすがに難しいものの、家庭でも手軽に「桧風呂」を楽しむ方法はいくつか存在します。

 

まず最も手っ取り早いのが桧の香りがする入浴剤を入れることです。実は私が今回の記事を思い付いたのも、この入浴剤を使用しているタイミングでした。


アース製薬 バスロマン にごり浴 ヒノキの香り 600g (入浴剤)

 

また、ひのき玉(ひのきボール)と呼ばれる商品もかなり有用です。ひのき玉は桧の木材をボール状に加工したもので、入浴前の浴槽に浸けておくだけで手軽に桧風呂の気分が味わえます。桧自身は耐久性が高いため、入浴後に乾燥させることで何度も再利用することが可能です。


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