先日の記事でちらっと触れたとおり、今週は実家に帰省し稲刈りの手伝いなどをしています(と言っても力仕事くらいしかしていませんが)。今年は突然の雨などにより地面がぬかるんでいたりしましたが、無事に全て刈り終えることができました。
過去に経験されたことのある方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、稲刈りをすると毎回のように肌のあちこちが痒くなります。おそらく収穫した籾(もみ)が関係していると思うのですが、一体肌に何が起きているのでしょうか?
工程により呼び名が変わる「稲」
冒頭で取り上げたのは稲刈りですが、稲刈りを行っただけでは私達が普段食べている精白米(ご飯)にはなりません。実際にはいくつもの工程を経て稲→籾→玄米→精白米へと変わっていきます。無洗米に関しては精白米をさらに加工したものだと思われがちですが…実際には「無洗米の玄米」なども流通しており、その定義は若干異なります。
◎稲
・田んぼで育てている植物
◎籾(もみ)
・稲刈りにより収穫した、稲の果実にあたる部分
◎玄米
・籾すりにより、籾から籾殻を取り除いたもの
◎精白米
・玄米から胚芽とぬかを取り除いたもの
・但し、粘着性のぬか(肌ぬか)は残っている状態
◎無洗米
・無洗米加工により、玄米や精白米から肌ぬかを取り除いたもの
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稲刈りをすると肌が痒くなるのはなぜ?
稲刈りを行う際は必ず長袖の服や軍手を着用するようにしているのですが、それでも露出している顔や首元はどうしても痒くなってしまいます。夏野菜を収穫する際はほとんど痒みを感じることもないのですが、なぜ稲に限って痒みに悩まされることになるのでしょうか?
少し調べてみたところ、この症状は籾(籾殻)に含まれるケイ素(珪素)と呼ばれる成分が関係しているようです。ケイ素はガラスの主成分としても知られ、このケイ素を多く含む稲は細い茎でもしっかりと穂を支えています。特に籾殻には多くのケイ素が含まれ、表面に生える細かい毛はかなりの強度を誇ります(※言わばガラス製の毛が生えているようなもの、と考えると幾分イメージしやすいかもしれません)。
稲刈りの際は籾(籾殻)に触れる機会が自然と多くなりますが、一旦肌に籾が触れると表面の毛だけが抜けることがあります。この時抜けた毛は肌に刺さったまま残るため、チクチクとした感覚を生じることがあります。この「チクチク」こそが稲刈りの時に感じる痒みの正体だと言われています。
痒みを抑えるための対策は?
まずは基本中の基本になりますが…稲刈りの際は長袖の服や軍手などでできるだけ肌を覆い、原因となる棘の付着を防ぐことが有効です。
それでも棘が刺さって痒みを生じてしまった場合は、流水で洗い流して炎症の原因を減らしたり、市販の痒み止めで炎症を抑えたりすると幾分楽になるかもしれません。