先日、近所の塀沿いでタマスダレが一斉に咲いているのを見かけました。開花前はほとんど目立たなかったため、私が気にかけることもなかったのですが…こうして一斉に開花すると圧巻ですね。この日は自転車に乗って移動していたのですが、思わず自転車を降りて撮影してしまいました。
さて今回取り上げているタマスダレですが、この名前だけを聞くと別のものを連想される方もいらっしゃるかもしれません。かくいう私は「さては南京玉すだれ」というフレーズを真っ先に連想したのですが、今回のタマスダレとは何か関係があるのでしょうか?
タマスダレの概要
科・属名:ヒガンバナ科タマスダレ属
種別:多年草
花色:白
花期:8〜10月
原産:南アメリカ
別名:レインリリー、ゼフィランサスなど
花言葉:純白な愛、期待など
◎特徴:
南アメリカ原産の多年草で、日本には明治時代に渡来しました。白い花を玉、細長い葉を簾(すだれ)に見立ててその名が付けられました。また、まとまった雨が降った後に一斉に開花することからレインリリーと呼ばれることもあります。
同じくヒガンバナ科のヒガンバナと同様、球根の部分を中心に有毒成分(リコリン)を含みます。誤って摂取した場合は吐き気・嘔吐・下痢などの引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
南京玉すだれとの関係は?
冒頭でも触れましたが、タマスダレと聞くと真っ先に「南京玉すだれ」を連想してしまいます。南京玉すだれといえば、唄に合わせて簾を旗・釣竿・橋などに変化させる日本伝統の大道芸ですが、今回のタマスダレとは何か関係があるのでしょうか?
調べてみたところ、南京玉すだれのルーツは江戸時代とのことで、植物のタマスダレが日本へ渡来した明治時代よりも前になります。したがって、両者は無関係と考えるのが無難なようです。
タマスダレによく似たピンク色の花の正体は?
タマスダレの花を鑑賞していると、その近くに見た目がよく似たピンク色の花が咲いていることがあります。タマスダレの色違いのようにも見えますが、厳密にはサフランモドキ(ヒガンバナ科タマスダレ属)と呼ばれる別の植物です。
日本に到来したのは江戸時代で、当初は本物のサフランだと認識されていました。ところが、その後認識誤りであることが発覚したため、現在のように「モドキ」が付けられたようです。