今年も早いもので残り2週間、今週末にはクリスマスが控えています。「サンタさんからのプレゼント」もこっそり用意し、あとは当日どうやって長男・次男に渡そうかと悩んでいるところです。
さて、クリスマスといえばプレゼントは勿論のこと、各地でイルミネーションが催されるのもこの時期ならではです。最近はなかなか見る機会に恵まれないのですが、「カラフルな物好き」としてはまたどこかでゆっくり鑑賞できればと思っています。
そんなイルミネーションですが、実は自然界にも「天然のイルミネーション」が存在することを皆さまご存知でしたでしょうか。キノコの中には暗闇で発光する品種も存在するようなのですが…そもそもなぜ発光する必要があるのでしょうか?
光るキノコとは?
一言で「光るキノコ」と言ってもその品種数は意外と多く、世界中で約100種類が発見されています。このうち日本では十数種類が生息しており、発光生物の宝庫である八丈島(東京都)ではその半数以上が見られるようです。
日本で見られる代表的な品種はヤコウタケやツキヨタケで、ツキヨタケに関しては夏〜秋にかけて全国で見ることができます。と言っても私自身はまだ天然物を見たことがないため、1度くらいはこの目で拝みたいものですが…。
▲ヤコウタケ
▲ツキヨタケ
発光の仕組みについて
光るキノコが自ら発光する仕組みについては長年謎に包まれていましたが、近年の研究でそのメカニズムがようやく解明されました。キノコの多くにはヒスピジンと呼ばれる物質(天然の化合物で、癌細胞を死滅される効果があるとも言われる)が含まれており、ここに光るキノコ特有の酵素が反応することで自ら発光しているのだそうです。しかしながら、この酵素の正体に関してはまだ明らかにされておらず、現在も研究が続けられています。加えて今回のタイトルでもある「暗闇で自ら発光するのはなぜ?」という点に関しても、実はまだ明らかになっていないのだそうです。
ここまでの内容を踏まえると、ヒスピジンと光るキノコ特有の物質さえあれば発光できるとういことになります。したがって、光るキノコが発光するために「暗闇」は必ずしも必要ではなく、実際には明るい場所でも発光し続けていると考えられます。但し、光るキノコが発する光自体はとても弱いため、明るい場所では周囲の光に飲まれて全く目立たない(発光しているようには見えない)のが現状です。
光るキノコは食べられるの?
結論から言ってしまえば、光るキノコは食用に向いていません。日本国内で最もよく見かけられるツキヨタケに関しては毒性が強く、摂取すると吐き気や嘔吐などの症状を引き起こします。また見た目がヒラタケなどに似ているため、誤って採取してしまわないよう注意が必要です。その他の光るキノコの中には毒性のない品種もありますが、味が悪く食べても美味しくないようです。
【余談】ヒカリゴケも自ら発光している!?
「光る植物」というと、ヒカリゴケを連想される方もいらっしゃるかもしれません。名前からしてこちらも自ら発光していそうですが、実際にはそのような機能は持ち合わせていません。
ヒカリゴケにはレンズ状の細胞が存在し、入射した光が細胞内で反射されることにより「自ら光っているように見える」のだそうです。この際、細胞内には葉緑素が含まれているため、見かけ上は緑色に輝いているように見えます。