楽しかった年末年始はあっという間に過ぎ去り、またいつも通りの生活に戻されてしまいました。年末年始は毎年のように駅伝ばかり見ているため…箱根駅伝が終わった辺りで「あぁもう正月が終わってしまった…!」と感じ、何とも言えない虚無感に襲われます。
ということで、(大分遅い気がしますが)今回は正月に関する話題です。2年前にご紹介した八ツ頭のように、毎年正月によく見かける食材は少なからず存在します。例えば巻き貝のような見た目をした「チョロギ」と呼ばれる食材、皆さまはご存知でしたでしょうか?
◎八ツ頭についてはこちら
八ツ頭(ヤツガシラ)とは一体何者?〜里芋との違いや込められた願いについて〜 - アタマの中は花畑
チョロギの概要
(※花のフリー素材が見つからなかったため、食材としての写真で失礼いたします)
科・属名:シソ科イヌゴマ属
種別:多年草
花色:ピンク
花期:5〜6月
収穫期:10〜12月
原産:中国
別名:チョウロギなど
花言葉:楽しき人生、驚きなど
◎特徴:
中国原産の多年草で、日本へは江戸時代に伝わりました。現在は東北地方を中心に、西日本などでも栽培されています。地中に形成される渦巻き状の根茎を食用とし(※つまり食べているのは根ではなく茎)、主に秋〜冬にかけて収穫します。
また近年は脳梗塞や認知症予防に効果があると言われ、健康食品としても注目されています。
正月料理にチョロギが使われるのはなぜ?
冒頭でも触れたとおり、チョロギという食材をご存じの方は意外と少ないのかもしれません。店頭でもほとんど見かけることはなく、食べるとしても正月料理などに限られているような気がします。では、そんな「レア食材」とも言えるチョロギが正月料理に使われているのは一体なぜなのでしょうか?
これにはチョロギの漢字表記が関係しています。一般的な呼び方は「チョロギ」ですが、その漢字表記はさまざまで「長老喜」「長老木」「千代呂木」「千代老木」「丁呂木」などが挙げられます。これらの漢字表記の多くは長寿に関係していることから、チョロギ=長寿を願う縁起物として正月料理(おせち料理)やお祝い事などに用いられるようになったのだそうです。
なお、おせち料理ではよくチョロギと黒豆がセットで並べられています。黒豆は「まめに働けるように」という意味を持つため、チョロギを添えることで「長く健康で働けるように」という意味合いが込められていると言われています。
チョロギは元々白かった!?
おせち料理やお祝い事で見かけるチョロギは大抵赤っぽい色をしていますが、収穫直後のチョロギ(根茎)は赤はなく白なのが特徴です。この根茎を赤紫蘇と梅酢で漬け込むことによって、よく見かける赤いチョロギが完成します。したがって、チョロギの赤色は素材本来の色ではなく、赤紫蘇によって染め上げた色…ということになります。