今回は、我が家のすぐ近くに植えられているこちらの多肉植物についてご紹介したいと思います。この写真だけ見せられても一体何の植物なのか分かりにくいですが…「金のなる木」と言われればピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本当にその名の通りであれば我が家の敷地内にびっしり植えてしまいたいくらいですが、もちろんお金が収穫できる訳ではありません。それでは、なぜこんなに縁起の良い名前が付けられたのでしょうか?
金のなる木(カネノナルキ)の概要
科・属名:ベンケイソウ科クラッスラ属
種別:常緑低木(多肉植物)
花色:ピンク、白など
花期:11〜2月
原産:南アフリカ東部
別名:クラッスラ・ポルツラケア、フチベニベンケイ、カゲツなど
花言葉:一攫千金、富、幸運を招く、不老長寿など
◎特徴:
南アフリカ東部原産の多肉植物で、日本へは昭和初期に渡来しました。日本では「金のなる木」として流通していますが、正式にはクラッスラ・ポルツラケア(和名:フチベニベンケイ)と呼ばれます。初心者でも比較的育てやすく、株が十分に成長するとピンクや白の花を咲かせます。
名前の由来は?
「カネノナルキ」はあくまでも別称の1つですが、正式名称の「クラッスラ・ポルツラケア」よりも圧倒的にその名を耳にします。まるで冗談のような、そして夢のような呼称ですが…一体なぜこのように呼ばれるようになったのでしょうか?
その理由の1つとして挙げられるのが葉の形状です。丸みを帯びた厚みのある葉が硬貨のように見えることから、英語ではマネーツリー(money tree)やダラープラント(dollar plant)と呼ばれることもあります。この葉が本当に全て硬貨だとしたら、「金のなる木」と呼ばれるのも納得できますよね。
茎に五円玉を通して育てるのはなぜ?
そして、名前の由来として挙げられるもう1つの理由がこちらです。私が幼い頃に通っていた地元の床屋さんでも玄関前に「茎に五円玉がたくさん通ったカネノナルキ」が飾ってあったのですが、あれは一体何のために行っているのでしょうか?
この理由に関しては、カネノナルキ(クラッスラ・ポルツラケア)が日本へ渡来した昭和初期まで遡ります。当時の商人が新芽に五円玉を通して栽培し、縁起物のように取り扱ったことで「カネノナルキ」「ナリキンソウ(成金草)」などと呼ばれるようになったと言われています。現在でも茎に五円玉を通して育てているのは、縁起物として扱っていた当時の名残なのかもしれません。
※なお五円玉を通して育てた場合、茎が成長した際に生育障害を引き起こす可能性があるためご注意ください。