今年もクンシランの見頃がやって来ました。我が家では育てていないのですが、通勤経路上で何カ所か育てられている場所があり、毎年楽しませていただいています。花の見た目が豪華なので、遠くから見てもよく目立ちます。
今回は、そんなクンシランについて少しご紹介したいと思います。君子蘭と書くといかにも「お高い花」のようなイメージを持ってしまいますが、実際のところはどんな由来があるのでしょうか?
クンシラン(君子蘭)の概要
科・属名:ヒガンバナ科クンシラン属(クリビア属)
種別:多年草
花色:橙、濃橙、黄
花期:3〜4月
原産:南アフリカ
別名:ウケザキクンシラン(受け咲き君子蘭)、クリビアなど
花言葉:高貴、誠実、情け深いなど
◎特徴:
南アフリカ原産の多年草で、日本ヘはヨーロッパ経由で明治時代に渡来しました。光沢のある葉を年中茂らせているため、観葉植物としても人気があります。
元々はクリビア・ノビリスの和名として用いられていましたが、下向きに開花することなどから観賞にはあまり向かず、徐々に日本では栽培されなくなりました。その後、その大半が上向きに開花するウケザキクンシランに置き換わり、現在ではウケザキクンシランのことを「クンシラン」と呼ぶようになりました。
名前の由来は?
概要欄でも少し触れましたが、クンシラン(君子蘭)は日本で名付けられた和名です。当初日本へ渡来したクリビア・ノビリスのnobilisが「高貴」とう意味を持っていたことから、高貴な花をイメーて「君子蘭」という名が付けられたと言われています。君子とは学識・人格ともに優れた立派な人のことを指すため、(高貴な花である)クンシランのイメージとしてもぴったりです。冒頭ではクンシランのことを「お高い花」と記載しましたが、あながち間違ってもいなさそうですね。またクンシランのランに関しては、葉の見た目がランに似ていることが由来となっています。
なお学名であるクリビア(clivia)に関しては、植物学の発展に貢献したイギリスのクライヴ(Clive)家出身の公爵夫人に敬意を示して名付けられたようです。
クンシランはランの仲間ではなかった!?
名前にランが付くため「クンシランはランの仲間なのでは?」と思ってしまいそうですが、実はヒガンバナ科に属する植物であり、一般的なラン(ラン科)とは性質が異なります。
クンシラン以外では、リュウゼツラン(リュウゼツラン科)、ヤブラン(ユリ科)、ハゼラン(スベリヒユ科)、ノシラン(ユリ科)なども名前にランが付きますが、いずれもランの仲間ではありません。
▲リュウゼツラン(参考)