今年の3月は気温の低い日が多く、東京では桜(ソメイヨシノ)の開花が何と12年ぶりの遅さになったのだそうです。我が家の近所でもソメイヨシノの開花が大きく遅れた結果、満開の花の中で長男の入学式を迎えることができました。さすがに今朝の雨を境に見頃を過ぎたような気はしますが。。。
ソメイヨシノの開花時期が気温に大きく左右されることは有名な話ですが、実は樹齢によっても多少変化するのだそうです。そこで今回は、ソメイヨシノの樹齢と開花時期の関係についてご紹介したいと思います。
ソメイヨシノの概要
科・属名:バラ科サクラ属
種別:落葉高木
花色:薄桃
花期:3〜4月
原産:日本
別名:吉野桜(ヨシノザクラ)、桜(※通称として)など
花言葉:純潔、優れた美人など
◎特徴:
江戸彼岸桜と大島桜の雑種の交配によって生まれた日本産のサクラです。桜といえば専らソメイヨシノのことを指し、桜前線の基準にもなっています(沖縄・北海道を除く)。
葉よりも先に花が咲くことでも知られ、開花時の見栄えがとても良いのも特徴です。
◎ソメイヨシノの概要は下記記事からの引用です
【ソメイヨシノ】日本の桜と言えばやっぱりこれ!〜日本中のソメイヨシノは全てクローンだった!?〜 - アタマの中は花畑
気温と開花時期の関係について
本題に入る前に、まずは気温と開花時期の関係について、以前の記事から引用する形でご紹介したいと思います。
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【桜】ソメイヨシノの開花日はどうやって予想しているの? - アタマの中は花畑
【ソメイヨシノ】地球温暖化・暖冬が続くと桜の開花時期はどう変わる? - アタマの中は花畑
ソメイヨシノの開花時期は、休眠打破(冬の間に十分な低温を経験することで、花芽の生長が始まること)後の気温変化に大きく左右されます。私達が開花日を予想する際には「400℃の法則」や「600℃の法則」と呼ばれる方法が用いられ、一般的には休眠打破後の気温が高いほど開花日も早まると言われています。今年(2024年)に関しては3月の気温が低かったため、開花日がどんどん後ろ倒しになってしまったと考えられます。
ただ「気温が高くなれば開花日も早まり続けるのか?」と言ったら、実はそうでもありません。仮に地球温暖化などの影響で気温がさらに上昇した場合、冬季の休眠打破が不明瞭になることで、開花日は現在よりも遅くなる可能性があります。そして、温暖化がさらにエスカレートした場合は休眠打破自体が発生せず、「満開の桜」が見られなくなってしまうのでは?とも危惧されています。
桜の開花を告げる桜前線は「南から北へと北上するもの」と現在認識されていますが、上記の理由により徐々に南北差が縮まりつつあります。仮にこのまま地球温暖化が進んだ場合、将来的には桜前線が意味をなさなくなってしまう…かもしれません。
樹齢と開花時期の関係について
ソメイヨシノの開花日を大きく左右するのはもちろん気温ですが、木の樹齢も少なからず影響しています。ソメイヨシノの場合は植え付けたばかりの若木に比べて、樹齢を重ねた老木の方がわずかに開花が早いと言われています。若木の場合は枝葉の生長が最優先されるのに対し、老木の場合は枝葉の生長にそれほどエネルギーを割く必要がありません。その結果、花に咲くエネルギーの割合が相対的に高まり、若木だった頃に比べて開花がわずかに早まるのだそうです。ちなみに、ソメイヨシノ界隈では樹齢が50年を超えた頃から老木として扱われるため…長年親しまれてきた桜の名所ほど開花日も早いのかもしれません。