先日、妻がサイリウムと呼ばれる薄茶色の粉を購入してきました。「サイリウム」と言われると光る棒状のもの(ケミカルライト、サイリウムライト)をまず連想してしまうのですが…今回は全くの別物です。
(※写真はイメージです)
購入してきた商品のパッケージを見る限り、どうやらオオバコ(大葉子)を原料としているようです。オオバコと言えば少し前の記事でも取り上げたばかりですが、私達の身近な生えているあの「オオバコ」を原料としているのでしょうか?
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サイリウムとは?
サイリウムとは、オオバコ科の植物(後述)の種皮を粉末状に加工したもののことを指します。味や香りはほとんどありませんが、食物繊維を豊富に含んでおり、水分を含むと膨張する性質があります。膨張することで満腹感を得やすくなるため、ダイエット(糖質摂取量の低減)などの効果も期待されています。また手軽に食物繊維を摂取することができるため、腸内環境の改善や便秘の解消、コレステロールの低減などにも効果を発揮します。 このような効果から、サイリウムは特定保険用商品としての表示も許可されています。
なおサイリウムは多く摂取すれば良いというものでもなく、過度に摂取すると下痢や腹痛などの症状を引き起こしてしまうことがあります。そのため、商品のパッケージに記載された用法・容量の範囲内で摂取するようにしましょう。
※「食物繊維を豊富に含んでおり、水分を含むと膨らむ」という点では、以前ご紹介したチアシードなどとも共通しています。チアシードに関しては以前からよく知っていましたが、(恥ずかしながら)サイリウムに関しては今回初めて覚えました。
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サイリウムとオオバコの違いについて
サイリウムの原料として用いられるのは、一般的にはインドオオバコの種皮です。このほかエダウチオオバコの種皮も「サイリウム」として流通することがありますが、インドオオバコ由来の商品に比べると、その生産量は少ないようです。
同じ「オオバコ」であれば、私達が日本でよく見かけるオオバコ、セイヨウオオバコ、ツボミオオバコ、ヘラオオバコなども原料として使えそうですが…残念ながらこれらの品種からサイリウムを生産することはできません。オオバコ科の植物であればある程度の食物繊維を含んでいますが、先程挙げたインドオオバコやエダウチオオバコと比べると、その含有量や品質は異なります。そのため日本で見かけるオオバコの種皮を加工したとしても、サイリウムと同じ効果は期待できないと言われています。
したがって「サイリウムとオオバコの違いは何?」と聞かれたら、その答えは「同じオオバコ科の植物ではあるが、指している品種が異なる」ということになります。
インドオオバコの概要
最後に、サイリウムの主な原料であるインドオオバコの概要をご紹介したいと思います。
(※引用可能な写真が無かったため、サイリウムの写真を掲載させていただきました)
科・属名:オオバコ科オオバコ属
種別:一年草
花色:薄黄、白
花期:4〜8月
原産:中東〜南アジア
別名:サイリウム、プランタゴ・オバタなど
花言葉:─(※オオバコ全般の花言葉は足跡、足跡を残す、耐え忍ぶなど)
◎特徴:
中東〜南アジアを原産とする一年草で、インドやスリランカなどを中心に栽培されています。 乾燥地域や半乾燥地域に適応しており、砂漠地帯でも生育することができます。また日本原産のオオバコに比べて葉は細長く、開花時の草丈はやや高いと言われています。