アタマの中は花畑

小さな花壇と家庭菜園を手に入れたガーデニング初心者の日々

【キナウリ】マクワウリとの違いについて〜最近あまり見かけないのはなぜ?〜

もう半月ほど前の話になりますが、実家に帰省した際にキナウリを何個かもらってきました。私の実家では毎年キナウリを育てており、夏〜初秋には毎日のように食卓に並んでいます。我が家では次男が特に好きなようで、切ったキナウリを見つけた途端、すぐに手を伸ばしてパクパク食べています。

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私自身も毎年のように食べて育ってきたため、キナウリはある意味「一般的な野菜」として認識しているのですが…実家を出てからはほとんど見かける機会が無くなってしまいました。キナウリがあまり市場に流通していないことには、何か理由があるのでしょうか?

 

 

キナウリの概要

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科・属名:ウリ科キュウリ属

種別:一年草

花色:黄

花期:6〜7月

収穫期:7〜9月

原産:南アジア

別名:マクワウリ、ウリなど

花言葉:古くからのつながり

◎特徴:

南アジア原産の一年草で、縄文時代には既に日本での栽培が始まっていたと言われています。品種改良されたメロンとは異なり原種に近い性質を持つため、生命力が強く育てやすい植物です。性質的には野菜に分類されますが、甘味を持つため果物のように扱われることが多いです(果実的野菜)。

名前の由来については諸説ありますが、熟した果実が黄色く変色することから名付けられたという説が有力です。

 

キナウリとマクワウリの違いは?

キナウリによく似た野菜として、マクワウリが挙げられることがあります。マクワウリの皮もキナウリと同様に黄色く、果肉はメロンに似た甘味があります。実際のところ、キナウリとマクワウリは同じ植物を指しているのでしょうか?

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調べてみたところ、両者については同種として扱われているケースが多く、明確な違いについては見つけることができませんでした。ちなみにChatGPTにもダメ元で尋ねてみたところ、「キナウリはシャキシャキとした食感かつ甘味が控えめで、マクワウリは柔らかい食感かつ甘味が強い」という旨の回答が返ってきました。その真偽については判定できなかったのですが…強いて言うのであれば「両者は基本的に同じ植物を指すが、甘味が控えめな個体をキナウリと呼び分けることがある」といったところでしょうか。

※ちなみに「マクワウリ」という名称については、かつてからの名産地であった真桑村(現:三重県本巣市)に由来しているのだそうです。

 

キナウリをあまり見かけないのはなぜ?

今回はキナウリ(マクワウリ)についてご紹介しましたが、普段店頭などで見かける機会はあまりありません。売り出し方によっては人気が出そうな見た目・味をしているにも関わらず、市場での流通量が少ないのは一体なぜなのでしょうか?

 

その主だった要因と言われるのがプリンスメロンの台頭です。縄文時代から栽培が始まり、長きにわたって一般庶民に愛されてきたキナウリ(マクワウリ)ですが、1960年代にプリンスメロンが登場すると事態は一変します。プリンスメロンはサカタのタネによって開発された新品種で、マクワウリと西洋メロンの一種を交配されることにより誕生しました。マクワウリの育てやすさと西洋メロンの美味しさを併せ持つプリンスメロンはすぐに一般庶民にも普及し、「安くて美味しいメロン」としての地位を確立しました。この影響で、相対的に甘みが弱いマクワウリはその地位を失い、徐々に流通量が減っていったと言われています。現在でも(私の実家のように)栽培自体はされていますが、日常的に食べる野菜というよりは「昔ながらの懐かしい野菜」として認識されることの方が多いようです。

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▲プリンスメロン(参考)

 


マクワウリ 種 『黄冠甜瓜(まくわ)』 ナント種苗/小袋(0.7ml)