今回は、こちらの2種類の野菜をご紹介したいと思います。もしかしたらあまり馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、写真の向かって左側がオカワカメ、右側がオカヒジキです。

オカワカメ・オカヒジキという名前だけを見ていると、まず連想されるのが海藻としてお馴染みのワカメ・ヒジキです。名前の頭に「オカ」が付く点こそ異なりますが、実際のところワカメ・ヒジキとは何かしらの関係性があるのでしょうか?
オカワカメの概要

科・属名:ツルムラサキ科アカザカズラ属
種別:多年草
花色:白
花期:9〜10月
収穫期:6〜9月
原産:南アメリカ
別名:アカザカズラ、ウンナンヒャクヤク(雲南百薬)など
花言葉:永遠の愛、変わらない愛情、生命力など
◎特徴:
南アメリカの熱帯地域を原産とするつる性多年草で、日本へは奈良時代に渡来したと言われています(中国を経由し、琉球列島へ渡来)。中国からは長寿の薬草として伝わったことから、琉球列島では古くから民間薬(百薬)として活用されてきました。正式名称はアカザカズラですが、一般的には「オカワカメ」として認知されています。
オカワカメは生命力と繁殖力に優れており、過酷な環境下でもすぐにつるを伸ばします。寒さにはやや弱いものの(耐寒温度:5℃程度)、冬場の管理さえ気を付ければ日本でも毎年収穫することができます。
オカヒジキの概要

科・属名:ヒユ科オカヒジキ属
種別:一年草
花色:─(花弁無し)
花期:7〜10月
収穫期:4〜5月
原産:日本、中国、ヨーロッパ南西部
別名:ミルナ(水松花)など
花言葉:忍耐強い愛情など
◎特徴:
日本、中国、ヨーロッパ南西部を原産とする一年草で、日本では全国の海辺や砂地に分布しています。外来種の移入や生育域の開発などによって野生下では個体数を減らしており、秋田県や鳥取県では準絶滅危惧種、沖縄県では絶滅危惧II類に指定されています。一方で、山形県を中心に野菜としての栽培・生産も行われています。
オカヒジキの旬は若芽が伸びる4〜5月頃ですが、そのまま育てると夏〜秋にかけて花を咲かせます。ただオカヒジキの花は非常に小さく、かつ花弁を持たないためあまり目立ちません。
ワカメ・ヒジキとの違いは?
ワカメはチガイソ科ワカメ属、ヒジキはホンダワラ科ホンダワラ属に属する藻類であり、オカワカメ・オカヒジキとは全く性質が異なります。オカワカメ・オカヒジキという名前の由来はそれぞれ以下の通りで、見た目や食感がワカメ・ヒジキに似ていることから名付けられました。
◎「オカワカメ」の由来
・葉を茹でた時の見た目がワカメに似ているため。かつ海ではなく丘(陸地)で生育することから、その名が付けられた。

▲茹でた時のオカワカメ(写真左)とワカメ(写真右)
◎「オカヒジキ」の由来
・葉が多肉質で、その見た目がヒジキに似ているため。かつ海ではなく丘(陸地)で生育することから、その名が付けられた。

▲オカヒジキ(写真左)とヒジキ(写真右)