本日は、白菜の頭縛りに関する記事(下記参照)を書いている時にふと思ったことに関する話題です。白菜の頭縛りを行う目的の一つに「霜などで白菜の葉が傷まないようにするため」という点があるのですが…
◎白菜の頭縛りについてはこちら
【白菜】冬になると葉を紐で縛る「頭縛り」を行うのはなぜ? - アタマの中は花畑
私自身は雪国で暮らした経験が全くないのですが、雪の多い地方ではこの時期「雪下野菜」と呼ばれる野菜が出回ることがあります。その名の通り雪に埋もれた状態で育てられた野菜のことなのですが、雪に囲まれていたら寒くて野菜の葉が枯れてしまうような気がしないでもありません。ですが、私が知る雪下野菜はどれも綺麗な見た目をしているんですよね。
霜が降りただけで傷んでしまう野菜がある中、なぜ雪下野菜は雪の中でも枯れないのでしょうか?
雪下野菜とは?
雪下野菜とは雪に埋もれた状態で越冬させる野菜のことで、雪中野菜や越冬野菜とも呼ばれます。代表として挙げられるのはキャベツ、白菜、大根、人参などで、どれも冬に栽培されることが多い野菜です。雪を掘り起こして収穫する必要があり手間がかかることなどから、近年は流通量が減ってきています。
なお、晩秋に収穫した野菜を雪の中で保管したものは雪室野菜とも呼ばれるようです。
雪の中でも野菜が枯れないのはなぜ?
ここから本題に入りますが、なぜ雪下野菜は雪に埋もれているにも関わらず、枯れずに育てることができるのでしょうか?そのポイントとなるのが「雪の中は意外と暖かい」という点です。
雪=氷であることから、雪の中はかなり寒いイメージを持ってしまいがちですが…実は意外と暖かく常に0℃程度を保っています。かまくらの中が暖かく感じるのも、同じ理由によるものだと考えられています。そのため、雪の中に埋もれていても極端な低温にはならず、野菜が枯れることはありません。むしろ雪に埋もれることで外の寒さから身を守っているとも言えます。
また、冒頭の関連記事の中でも触れていますが、適度な低温で野菜を管理することによるメリットもあります。例えば、葉の中に蓄えられているデンプンが糖に変換されるため、野菜自身の甘さが増す効果があります。雪下野菜が甘いと言われるのは、この理由によるものです。
雪下野菜は光合成をしなくても大丈夫なの?
ここまでの内容から、雪の中では野菜が枯れるような低温にはならないことがわかりました。ですが、私には気になる点がもう一つ…。雪に埋もれてしまうと太陽の光が一切入らなくなりますが、光合成をしなくても野菜は大丈夫なのでしょうか?
実は、野菜には低温下におかれると成長を止め、休眠状態に入る性質があります。休眠状態では光合成も行わないため、雪の中に長期間埋もれていても問題はないのだそうです。