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【松】お菓子や料理に使う「松の実」の正体は?〜赤松や黒松の実は食べられるの?〜

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ここ最近、松に関する記事を連投していますが…今回はその第3弾です。公園で松ぼっくりを拾ったことをきっかけに記事を書き始めたのですが、(1記事では)話がまとめられなくなったため、いくつかの記事に分割して投稿しています。

 

さて、今回はお菓子や料理に使われる「松の実」について取り上げたいと思います。私も好んで食べるのですが、「松の実」として収穫できるのは特定の品種のみなのでしょうか?あるいは、赤松や黒松といった比較的よく見かける松からも採れるものなのでしょうか?

 

 

松の実とは?

松の実とは、松ぼっくり(球果)の中に入っている種子のうち、クリーム色の胚乳にあたる部分を指します。ナッツ類の一種として親しまれ、料理や美容オイル、生薬(海松子)などに用いられています。たんぱく質、亜鉛、鉄、マンガン、食物繊維、不飽和脂肪酸などの栄養素が豊富なため、「食べ続ければ仙人になれる」「仙人の食べ物」という言い伝えもあります。

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「松の実」が収穫できるのはどんな品種?

「松の実」が収穫できるのは限られた品種のみで、世界中でおよそ20種類が栽培されています。ここでは代表的な品種をいくつかご紹介したいと思います。

 

◎チョウセンゴヨウ

日本で販売される松の実といえばこの品種。朝鮮半島・中国・ロシアなどを原産とする五葉松(葉が5枚ずつ束になって生える松)の一種で、チョウセンマツとも呼ばれる。松ぼっくりや種子はかなり大型で、種子は羽を持たない。日本にも自生しているが、その数はかなり少ない。

 

◎イタリアカサマツ

地中海を原産とする松で、ヨーロッパ域で流通する松の実の大半がこちら。松ぼっくりや種子はかなり大型だが、チョウセンゴヨウとは異なり種子には羽が付いている。胚乳(松の実)の味や栄養価については、チョウセンゴヨウとよく似ている。


花木 庭木の苗/イタリアカサマツ(ピヌス ピネア)3号ポット

 

◎チルゴザマツ

ヒマラヤ西部の高山地帯を原産とする松で、ジラードマツとも呼ばれる。アジア域で流通する松の実の大半は、チョウセンゴヨウかチルゴザマツと言われる。

 

赤松や黒松の種は食べられるの?

松の実のして収穫できる品種をいくつかご紹介してきましたが、日本を代表する赤松や黒松の種も食用になるのでしょうか?

 

調べてみたところ赤松や黒松の種子に毒性はないようですが、種子(胚乳)自体が小さ過ぎるため食用には適さないのだそうです。赤松や黒松の種子はサイズが小さい分、風の力を使って遠くまで運ぶことができます。

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一方で、チョウセンゴヨウやイタリアカサマツは種子のサイズが大き過ぎるため、風の力で遠くへ運ぶことができません(※イタリアカサマツは羽を持ちますが、ほとんど役に立っていません)。その代わり、リスをはじめとした動物によって種子を遠くへ運んでもらっています。


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