◎前回の記事はこちら
【蕪】民話のような「おおきなかぶ」は実在するのか? - アタマの中は花畑
前回に引き続き、今回もかぶ(蕪)に関する話題です。かぶと似た野菜といえばまず大根が挙げられそうですが「大根とかぶの違いは?」と聞かれたら、皆さまは何と答えるでしょうか?
私なら「形が細長いものは大根、丸いものはかぶ」と答えてしまいそうですが…よくよく考えると、今年春に育てた二十日大根は丸い形をしていたんですよね。ということは、きっと何か他の違いがあるはずです。
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春の七草でも「スズナ」「スズシロ」として名を連ねる両者ですが、実際のところはどのような点が異なるのでしょうか?
大根の概要
科・属名:アブラナ科ダイコン属
種別:一年草(越年草)
花色:白、薄桃
花期:4〜5月
収穫期:12〜2月
原産:地中海沿岸〜中央アジア
別名:スズシロ、オオネなど
花言葉:適応力、潔白など
◎特徴:
地中海沿岸〜中央アジアを原産とする一年草(または越年草)で、大きく肥大した根が名前の由来となっています(大きい根→オオネ→ダイコン)。春の七草の一つで、この場合はスズシロ(蘿蔔、清白)と呼ばれます。
主に根を食用としますが、葉や種子(油)もいただくことができます。主に日本で食用とされることから、英語では「Japanese white radish」と表記します。
◎大根の概要は下記記事からの引用です
【大根】一番辛い(甘い)のはどの部分?先端と付け根で味が違うのはなぜ? - アタマの中は花畑
かぶ(蕪)の概要
科・属名:アブラナ科アブラナ属
種別:一年草(越年草)
花色:黄
花期:3〜5月
収穫期:11〜1月
原産:中央アジア〜ヨーロッパ南西部
別名:カブラ、カブナ、スズナなど
花言葉:晴れ晴れとなど
◎特徴:
中央アジア〜ヨーロッパ南西部を原産とする一年草で、日本へは奈良時代に到来したと言われています(※諸説あります)。丸く肥大した可食部は根のように見えますが、実は胚軸と呼ばれる茎です。
また春の七草の一つとしても知られ、可食部が錫(すず)製の容器、あるいは鈴に似ていることから「スズナ」とも呼ばれます。
(※蕪の概要は前回記事より引用)
大根とかぶの違いは?
大根とかぶの最大の違いは食用とする部位です。概要欄でもチラッと触れましたが、大根が主に根を食用とするのに対し、かぶは胚軸と呼ばれる茎を食用とします(※なお、肥大した胚軸の先端に付いた細長い部分が「かぶの根」にあたります)。大根とかぶは似ているようで、実は植物としての構造自体に違いがあったんですね。
このほか、両者には以下のような違いもあります。
◎大根の特徴(写真左)
・葉の切り込みが深く、ギザギザしている
・「首」にあたる部分が青みを帯びている
・加熱した時の食感は繊維質で歯応えがある
・相対的に辛味が強い(特に先端部分)
・花色は白または薄桃
◎かぶの特徴(写真右)
・葉の切り込みが浅く、やや丸みを帯びている
・「首」にあたる部分が白い
・加熱した時の食感は柔らかくトロトロしている
・相対的に辛味が弱い
・花色は黄