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【雑談】国産植物と外来(帰化)植物について〜国産植物は生存競争に弱いのか?〜

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先日投稿した記事の中で、日本に分布するタンポポには大きくニホンタンポポ・セイヨウタンポポの2系統があることをご紹介しました。前者は日本原産の品種、後者はヨーロッパ原産の品種を指しますが、日本国内ではセイヨウタンポポ(後者)が徐々に分布域を広げつつあります。一方でニホンタンポポに関しては、セイヨウタンポポに分布域を奪われた結果、以前よりも道端で見かける機会が減ってしまいました。

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▲ニホンタンポポの花(参考)

 

(私の勝手な想像ですが)先程取り上げたタンポポに限らず、外来植物の移入によって日本国産の植物が個体数を減らしているケースは結構あるような気がしています。仮にこれが本当だとしたら、日本産の植物はなぜ外来種に比べて「弱い」のでしょうか?

 

 

国産植物・外来植物・帰化植物の違いは?

本題に入る前に、今回の記事で登場する「国産植物」「外来植物」「帰化植物」の違いについて簡単に整理しておきます。帰化植物は外来植物の1カテゴリであり、日本で野生化しているかどうかで分類されます。

◎国産植物(国産種)

・元々日本に自生している植物を指す。

・代表的な植物はナデシコ、ススキ、ハギ、サザンカ、サクラソウなど。

◎外来植物(外来種)

・元々日本には自生していなかった植物を指す。

・代表的な植物はチューリップ、マリーゴールド、パンジー、ジニア、デージーなど。

◎帰化植物(帰化種)

・外来植物のうち、日本で野生化した植物を指す。

・代表的な植物はシロツメクサ、セイヨウタンポポ、ハルジオン、キショウブ、オオキンケイギクなど。

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国産植物が外来植物に「負ける」のはなぜ?

日本原産の植物にとって、日本の土地は言わば「ホーム」です。日本の気候や土壌に適応している時点で圧倒的に有利な気がするのですが、それにも関わらず「アウェー」の外来植物に生存競争で負けてしまうのは一体なぜなのでしょうか?

 

当初、私の中では以下の説を推していました。…が、調べてみたところ全く違っていたことがわかりました。

・日本は島国のため、元々海外から移入する他品種自体が相対的に少ない

・それに比べて大陸続きの海外では他品種の移入が頻繁に発生するため、品種同士の生存競争が激しい

・激しい生存競争を勝ち抜いた外来植物と、生存競争の少ない環境で生きながらえた国産植物が対峙した場合、当然勝つのは外来植物

 

外来植物は元々人為的に持ち込まれた品種のことを指しますが、その移入方法は様々です(食用、観賞用、荷物に紛れて…など)。日本は文明が栄えた頃から既に島国だったものの、これまでに数え切れないほどの外来植物が移入しています。しかしながら、実際にはその大半が日本の環境(夏の高温多湿、冬の寒さなど)に適応できず、国産植物との生存競争に負けているのだそうです。但し、中には繁殖能力が極めて高い品種も含まれており、現在では「帰化植物」として日本に定着しています。

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したがって、ここまでの内容をまとめると、

・国産植物が外来植物との生存競争に必ず負ける訳ではなく、実際には大半の外来植物が日本の環境に適合できていない

・繁殖能力が極めて高い一部の外来植物が「帰化植物」として定着している印象だけが残った結果、「国産植物=生存競争に弱い」というイメージが定着した

…ということなのだと思っています。

 

日本原産の植物が海外で帰化することはあるのか?

海外原産の植物が日本で帰化しているように、日本原産の植物が海外で帰化したケースも数多くあります。

 

例えば、くず餠や葛根湯でお馴染みのクズ(葛)は19世紀にアメリカへ持ち込まれ、その後アメリカで帰化しています。繁殖能力が高く、かつ蔓を旺盛に伸ばすため、現地では「グリーンモンスター」という異名が付けられてしまったほどです。

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また、イタドリはイギリスで帰化しています。19世紀に鑑賞目的で持ち込まれたものの、現在では各地で厄介者扱いされる存在となりました。アスファルトやコンクリートを突き破ってしまうこともあり、2010年にはイタドリを餌とする虫(イタドリマダラキジラミ)の輸入を試みたこともあるのだそうです。

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