先日近所を散歩していたところ、どこからともなく甘い香りが漂ってきました。辺りを見回したところ、香りの理由はすぐにわかりました。それがこちらの葛(クズ)の花です。
私にとっては秋を代表する香りの一つで、葛の花を見かけると「そろそろ秋になるのか…」というちょっと物寂しい気分になります。
(※秋が深まってくると、葛に代わりキンモクセイの香りが感じられるようになってきます)
◎キンモクセイについてはこちら
見た目はそっくり!キンモクセイとギンモクセイの違いについて - アタマの中は花畑
そんな葛ですが、カタカナで「クズ」と表記すると蔑称のように捉えられかねない名前をしています。ということで、今回は久し振りの「何故そんな名前になった?」シリーズです。
早速本題ですが、なぜ葛は「クズ」という名前で呼ばれるようになったのでしょうか?
◎過去のシリーズについてはこちら
◎第一弾:ヘクソカズラ
ヘクソカズラの名前の由来〜何故そんな変な名前になったのでしょう?〜 - アタマの中は花畑
◎第二弾:ナンジャモンジャ
ヘクソカズラの名前の由来〜何故そんな変な名前になったのでしょう?〜 - アタマの中は花畑
◎第三弾:ママコノシリヌグイ
【ママコノシリヌグイ】名前の由来は可愛そうなものだった!でも花言葉は…? - アタマの中は花畑
葛の概要
科・属名:マメ科クズ属
種別:多年草(つる性植物)
花色:赤紫
花期:8〜9月
原産:日本、中国、朝鮮半島
別名:裏見草
花言葉:芯の強さ、活力、治癒など
◎特徴:
大型のつる性植物で日本各地に分布しています。荒れた土地でもよく育ち、その繁殖力の強さから侵略的外来種ワースト100にも数えられるほどです。葉の裏側は白く、風に吹かれてよく葉が裏返ることから「裏見(うらみ)草」の別名を持ちます。
また秋の七草の一つにも数えられ、8〜9月頃に赤紫色の花を咲かせます。
◎秋の七草についてはこちら
秋の七草とは?〜覚え方や意外な実用性をご紹介〜 - アタマの中は花畑
名前の由来
葛(クズ)という名前の由来は、奈良県・吉野川上流の国栖(くず)と呼ばれる地名だと言われています。国栖は古くから葛粉の産地として知られ、国栖産の粉がよく売られていたことから、いつしか「クズ」と呼ばれるようになったのだそうです。名前の由来は地名であり、蔑称とは何ら関係はありません。
ちなみに漢字の「葛」は、中国名である「葛藤」から付けられたという説が有力です。
葛は万能だった!?
侵略的外来種にも名を連ねる葛ですが、その使い道は多くあります。ここでは、葛の使い道についても少し触れておこうと思います。
①葛粉
名前の由来にもなった葛粉は、葛の根のデンプンから作られています。葛粉は和菓子の材料としても重宝されており、葛切りや葛餅などに加工されています。
▲葛切り
なお、葛の根は掘り上げるだけでもかなりの手間がかかるため、葛粉の代わりに馬齢者澱粉が用いられる場合も多いです。
②葛根
葛の根は漢方薬としても重宝されています。葛根湯の原料、と言えば馴染み深いでしょうか。葛根湯は肩こりや風邪などの幅広い症状に効果があります。
③つる細工
葛のつるは網かごやリースなどの材料としても用いられることがあります。ただ、他のつる性植物に比べるとつるが太いため、細かい細工には向かないかもしれません。
何かと使い道があり、花の香りまで良い葛ですが…肝心の実は食べられません。マメ科の植物なので、実(豆)も美味しくいただけると尚良かったのですが…!
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