2月も下旬に差し掛かり、少しずつですが暖かく感じる日が増えてきました。我が家の周辺でもカンヒザクラ、ユキヤナギ、ハナモモなどの蕾が膨らんできており、春の訪れを実感しているところです。
さて、以前の記事でも触れたかもしれないのですが…私は元々花よりも蕾を眺めているのが好きなタイプです。もちろん花の方が華やかなのですが、蕾の状態だと「これからどんな花が咲くんだろう?」というワクワク感があるんですよね。
そんな「蕾好き」な私にとって、最も好きな蕾はこちらのボタン(牡丹)です。スペースの関係で我が家にはないのですが、庭がもっと広ければ植えていたであろう樹木の筆頭です。
そんな牡丹ですが、見た目だけで言えばシャクヤク(芍薬)とよく間違えられます。実際のところ、牡丹と芍薬にはどのような違いがあるのでしょうか?
ボタン(牡丹)の概要
科・属名:ボタン科ボタン属
種別:落葉小低木
花色:赤、ピンク、白、赤紫、黄など
花期:4〜6月
原産:中国
別名:富貴草(フウキソウ)など
花言葉:王者の風格、高貴、富貴、恥じらいなど
◎特徴:
中国原産の落葉小低木で、日本へは8世紀頃に渡来しました。渡来当時は薬用植物としての利用が主でしたが、江戸時代以降は園芸植物として急速に品種改良が進められました。
名前の由来は、漢語である「牡丹」を日本語読みしたもの(ボウタン、ボタン)です。このうち牡は雌しべ・雄しべが花弁に変化し、種子ができていく様子を表したもの、丹は赤い花を表したものと言われています(※諸説あります)。
◎牡丹の概要は下記記事からの引用です
【野牡丹】ノボタンとボタンは同じ「牡丹」?両者の関係について - アタマの中は花畑
シャクヤク(芍薬)の概要
科・属名:ボタン科ボタン属
種別:多年草
花色:赤、ピンク、白、黄など
花期:5〜6月
原産:アジア大陸北東部(東シベリア、中国、朝鮮半島など)
別名:富貴草(フウキソウ)など
花言葉:ピオニーなど
◎特徴:
アジア大陸北東部原産の多年草で、日本へは10世紀より前に渡来したと言われています。渡来当時は薬用植物としての利用が主でしたが、安土桃山時代以降は園芸植物としても楽しまれるようになりました。漢方薬の原料としても知られ、現在でも葛根湯などに調合されています。
名前の由来は、漢語である「芍薬」を日本語読みしたもの(シャクヤク)です。芍は抜きん出て美しい様子を表したもの、薬は薬用植物としての用途を表したもの言われています。このほか、しとやかで美しい様子を表す綽約(シャクヤク)を語源とする説もあります。
◎芍薬の概要は下記記事からの引用です
【ことわざ】「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」のルーツは漢方薬だった!? - アタマの中は花畑
牡丹と芍薬の違いは?
牡丹と芍薬はどちらもボタン科ボタン属に属する植物で、性質もかなり似ていることで知られています。そんな両者ですが、牡丹は「樹木」、芍薬は「草」という決定的な違いがあります。この点を含め、牡丹と芍薬にはそれぞれ以下のような特徴があります。
◎牡丹の特徴(写真左)
・冬を迎えると葉は落ちるが、枝は残る「木(落葉低木)」
・芍薬よりも花期が早い(4月頃から開花)
・花はほとんど香りを持たない
・蕾の形状は先端がやや尖っている
・葉には切れ込みがあり、光沢を持たない
・枝が途中で分岐(枝分かれ)することがある
・花が散る際は花弁が1枚ずつ落ちる
◎芍薬の特徴(写真右)
・冬を迎えると地上部が全て枯れる「草(多年草)」
・牡丹よりも花期が遅い(5月頃から開花)
・花はバラに似た香りを持つ
・蕾の形状は丸みを帯びている
・葉には切れ込みがなく、光沢を持つ
・茎は基本的に枝分かれしない
・花が散る際は花ごとボトッと落ちる