春に近所を散歩していると、道端や草むらでしばしばスミレの花を見かけます。中には道路の隙間から生える「ど根性スミレ」もあり、その生命力の高さに驚かされることもあります。
そんなスミレはスミレ科スミレ属に属する多年草の総称で、園芸植物としてお馴染みのパンジーやビオラも広い意味では「スミレ」の仲間です(※)。一言でスミレと言ってもその種類はとても多く、日本国内に自生しているものだけでも60種類ほどあるとされています。
※パンジーやスミレも本来は多年草ですが、日本では夏越しが難しいため一年草として扱われています。管理方法次第では夏越しも可能ですが、それなりに手間もかかります。
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ということで今回は少し趣向を変えて、私が今年の春シーズンに見かけたスミレを一覧でご紹介してみたいと思います。
タチツボスミレ
花色:薄紫
花期:3〜5月
原産:日本、朝鮮半島、中国
分布(国内):全国(北海道〜沖縄)
◎特徴:
スミレ(後述)と並んで個体数が多く、国内では最も身近に見られるスミレの一種です。開花後に茎が立ち上がる様子からその名が付けられました。葉は丸みを帯びていますが先端は尖っており、ハートのような形状をしています。
ニオイスミレ
花色:紫、白、ピンク、黄など
花期:12〜4月
原産:ヨーロッパ〜西アジア
分布(国内):─(園芸品種)
◎特徴:
スイートバイオレットとも呼ばれ、香水のような華やかな香りを持つことからその名が付けられました。元々は園芸品種ですが、北海道〜九州にかけて野生化しているケースもあります。葉は丸みを帯びていますが先端は尖っており、ハートのような形状をしています。
スミレ
花色:紫
花期:3〜5月
原産:日本、朝鮮半島、中国
分布(国内):北海道〜九州
◎特徴:
タチツボスミレ(前述)と並んで個体数が多く、国内では市街地などで身近に見かけることができます。少しややこしいですが、狭義にはこの品種のことを「スミレ」と呼びます。タチツボスミレやニオイスミレとは異なり、葉は細長い形状をしています。
サンシキスミレ
花色:紫、青、黄、白など
花期:3〜5月
原産:ヨーロッパ
分布(国内):全国(北海道〜沖縄)
◎特徴:
パンジー(ビオラ)の原種の1つで、ワイルドパンジーと呼ばれることもあります。色彩豊富な花弁を持つことからその名が付けられました。葉は丸みを帯びており、縁はギザギザしています。
アメリカスミレサイシン
花色:紫、白
花期:4〜5月
原産:北アメリカ
分布(国内):北海道〜四国
◎特徴:
ニオイスミレによく似ていますが、こちらは香りを持たない点が特徴です。アメリカ原産、かつ見た目がスミレサイシン(=ウスバサイシンに似たスミレの一種)に似ていることからその名が付けられました。元々は園芸品種として渡来しましたが、その後野生化(帰化)しています。
フイリゲンジスミレ
花色:薄紫
花期:3〜5月
原産:朝鮮半島、中国、ロシア
分布(国内):─(園芸品種)
◎特徴:
葉脈に沿って白い斑が入ったゲンジスミレであることからその名が付けられました。本州は野生化しておらず、その変種にあたるゲンジスミレが本州〜四国にかけて分布しています。葉は丸みを帯びており、先端が少し尖っています。
おわりに
ということで、今年の春シーズンに私が撮影できたスミレは全部で6種類でした。名前すら知らなかった品種が結構あり(※)、フイリゲンジスミレに至っては今回初めて見ることができました。
※特に「サンシキスミレ」と記載した株は園芸品種のパンジーが野生化したものである可能性もあり、正直あまり自信がありません。。。
日本で見られるスミレはまだまだたくさんあるはずなので、機会があれば来年以降も同じように探してみたいと思います。