◎関連記事はこちら
【山桃】ヤマモモとモモは同じ仲間?〜名前の由来について〜 - アタマの中は花畑
突然ですが、皆さまは「すもももももももものうち」という早口言葉をご存知でしょうか。漢字変換すると「すももも桃も桃のうち」となり、おそらく「すももと桃は、どちらも桃の仲間ですよ」という意味なのだと思います。しかしながら、早口言葉としての語呂を重視した結果、意味自体が間違っている可能性も否定できません。。。
実際のところ、すももと桃は本当に「桃のうち(桃の仲間)」なのでしょうか?
すもも(酸桃)の概要
※すももは中国原産の品種(日本すもも)とヨーロッパ原産の品種(西洋すもも)の大きく2つに分けられますが、ここでは前者についてのみまとめています。
科・属名:バラ科サクラ属
種別:落葉小高木
花色:白
花期:3〜4月
収穫期:7〜8月
原産:中国
別名:日本すもも、ハタンキョウなど
花言葉:誤解、甘い生活、忠実、独立など
◎特徴:
中国原産の落葉小高木ですが、奈良時代に日本へ到来し、現在でも日本で多く流通していることから「日本すもも」と呼ばれることもあります。実の見た目が桃に似ており、かつ酸味が強いことから酸桃=すももと名付けられた説が有力です(※他には表面に細かな毛が生えていない桃=素桃を語源とする説もあります)。
モモ(桃)の概要
科・属名:バラ科モモ属
種別:落葉小高木
花色:桃
花期:3〜4月
収穫期:7〜8月
原産:中国
別名:御酒草(ミキクサ)、三千年草(ミチトセグサ)など
花言葉:チャーミング、気立ての良さなど
◎特徴:
中国原産の落葉小高木で、夏に実る果実は食用となります。日本での主な産地は山形県、山梨県、長野県などで、降水量が比較的少ない盆地で多く栽培されています。春にはピンク色の花を咲かせ、その名のとおり「桃色」の由来にもなっています(※諸説あります)。
また、桃のうち「花を鑑賞するために栽培される品種」全般のことを花桃と呼ぶこともあります。花桃の花色は赤・ピンク・白と富んでおり、一重咲き・八重咲きの両方が存在します。また品種にもよりますが、食用の品種(実桃)に比べて花のサイズは大きめです。
◎桃の概要は下記記事からの引用です
【梅・桃・桜・杏子】ウメとモモとサクラとアンズの花の違いは? - アタマの中は花畑
◎実桃と花桃の違いについてはこちら
実桃(ミモモ)と花桃(ハナモモ)の違いについて〜花桃の実は食べられるの?〜 - アタマの中は花畑
すももも桃も「桃のうち」?
冒頭で触れた早口言葉ではどちらも桃の仲間かのように扱われていますが、すももはバラ科サクラ属、桃はバラ科モモ属の樹木です。したがって、両者は見た目が似ているだけで、厳密には異なる植物だということになります。
またプラムやプルーンなど、すもも・桃と見た目が似ている果物は意外と多く存在します。そこで、これらの果物達の特徴や違いについても簡単にまとめてみることにしました。それぞれ特徴はありますが…早口言葉的に言えば「すもも・プラム・プルーン・梅・杏子はすもものうち(バラ科サクラ属)」、「桃とネクタリンは桃のうち(バラ科バラ属)」ということになります。
◎すもも
・バラ科サクラ属。中国原産で「日本すもも」とも呼ばれるのがこちら。
◎桃
・バラ科モモ属。同じく中国原産だが、すももとは属名が異なる。
◎プラム
・バラ科サクラ属。アメリカで誕生。日本すももとアメリカ原産のすももを交配させた品種で、その後日本へも逆輸入された。
◎プルーン
・バラ科サクラ属。ヨーロッパ原産で「西洋すもも」と呼ばれるのがこちら。
◎ネクタリン
・バラ科モモ属。中国原産。桃の変種で、実の表面に産毛が生えていないのが特徴。
◎梅
・バラ科サクラ属。中国原産で、熟しても甘くならならない。
◎杏子
・バラ科サクラ属。中国原産で、梅とは異なり熟すと甘くなる。