私の住む地域でも暑さのピークを迎えています。個人的にはこの時期の空を見上げるのがとても好きなのですが、ジリジリと照りつける日差しによって私も我が家の植物達もへばってきています。
そんな中で今度は下を向いてみたところ、ヒメマツバボタンの小さな花を見つけました。ヒメマツバボタンは葉に厚みがあるため「多肉植物」とも呼ばれることもあり(※)、この日も暑さにも負けず健気に花を咲かせていました。多肉植物と言えば何となく「暑さに強い」イメージがあるのですが、ヒメマツバボタンに限らず全ての多肉植物に当てはまることなのでしょうか?
◎多肉植物についてはこちら
【多肉植物】普通の植物との違いについて〜葉が分厚いのはなぜ?〜 - アタマの中は花畑
※園芸上は多肉植物に分類されないこともありますが、実際には極めて近い性質を持っています。そのため、マツバボタンを多肉植物として扱うケースもそれなりにあるようです。
ヒメマツバボタンの概要
科・属名:スベリヒユ科スベリヒユ属
種別:一年草
花色:ピンク
花期:7〜9月
原産:熱帯アメリカ
別名:ケツメクサ(毛爪草)など
花言葉:力強いなど
◎特徴:
熱帯アメリカ原産の帰化植物で、日本では主に関東地方以西に自生しています。花の見た目がマツバボタンに似ており、かつ小さいことからその名が付けられました。また、葉の付け根部分に毛が生えていることからケツメクサ(毛爪草)と呼ばれることもあります。
またヒメマツバボタンは暑さにとても強く、小笠原諸島や南西諸島では帰化が問題視されることもあります。そのため生態系被害防止外来種リストに掲載され、重点対策外来種に指定されています。
マツバボタン・マツバギクとの関係は?
名前に「マツバ」が付く植物としては、ヒメマツバボタンの他にマツバボタン・マツバギクなどが挙げられます。名前はよく似ていますが、ヒメマツバボタンとマツバボタン・マツバギクの間には何かしらの関係性があるのでしょうか?
▲マツバボタン(左)とマツバギク(右)
4年ほど前に投稿した記事も踏まえて整理してみたところ、以下のことがわかりました。つまり、ヒメマツバボタンはマツバボタンの仲間だが、マツバギクの仲間ではないということのようです。
・ヒメマツバボタンとマツバボタンは、どちらもスベリヒユ科スベリヒユ属に属しており同じ仲間の植物と言える。
・一方でマツバギクはハマミズナ科マツバギク属に属しており、ヒメマツバボタンとは異なる植物である。
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つまり「ヒメマツバボタンはマツバボタンの原種なのでは?」とも考えてしまいますが、実際には関係していないと言われています(※亜種だとする説もあり)。実際のところ、両者には以下のような違いがあります。
◎ヒメマツバボタンの特徴(写真左)
・熱帯アメリカ原産の一年草
・花色はピンクのみ
・花はマツバボタンよりも小さい
・葉はマツバボタンよりも扁平である
◎マツバボタンの特徴(写真右)
・南アメリカ原産の一年草
・花色は赤、橙、黄、ピンク、白など多数
・花はヒメマツバボタンよりも大きい
・葉はヒメマツバボタンよりも尖っている
多肉植物はみんな暑さに強いのか?
概要欄でも触れたとおり、ヒメマツバボタンは暑さにとても強い植物として知られています。ヒメマツバボタンはサボテンなどと同じく「多肉植物」と呼ばれることもありますが、やはり多肉植物はみんな暑さに強いものなのでしょうか?
私であれば「多肉植物=サボテン=砂漠=総じて暑さに強い」みたいなイメージを持ってしまうのですが、実際には品種によってまちまちのようです。例えば今回取り上げたヒメマツバボタンは直射日光がジリジリ照りつけるような環境を好みますが、ハオルチアのように半日陰を好む多肉植物も多く存在します。
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【ハオルチア】葉の先端が半透明なのはなぜ? - アタマの中は花畑
また耐寒性についてもまちまちで、カネノナルキのように屋外で冬越し可能な多肉植物も存在します。多肉植物だからと言って暑さに強いと決め付けるのではなく、それぞれの特性を踏まえて適切な環境で管理することが大切なんですね。
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