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先日投稿した記事の中で、最もカロリーの高い野菜・低い野菜についてご紹介しました。米・麦・豆・とうもろこしなどの穀物を除外した場合、100gあたりのカロリーが最も高かったのはアボカド(またはニンニク)、低かったのはきゅうりという結果になりました。またトップを脅かすほどではなかったものの、ジャガイモ・さつまいも・里芋などの芋類もそれなりに上位に位置付けていました。
しかしながら、その後調べていたところ「芋類を原料にしているにも関わらず、きゅうりよりも低カロリーな食品」を見つけました。ということで、今回はそんな魔法のような食品についてご紹介したいと思います。
こんにゃくの概要
今回取り上げるのはこんにゃく(こんにゃく芋)です。本題に入る前に、まずはこんにゃくの概要についてご紹介したいと思います。
科・属名:サトイモ科コンニャク属
種別:多年草
花色:濃紫
花期:5〜6月
収穫期:10〜11月
原産:東南アジア
別名:Devil's Tongue(悪魔の舌)など
花言葉:柔軟など
◎概要:
東南アジア原産の多年草で、日本へは縄文時代に渡来したと言われています(※諸説あります)。こんにゃくとして加工する場合は、種芋を3〜4年栽培した芋を原料とします。花が咲いた時点で種芋の寿命が尽きてしまうため、通常は開花する前の段階で芋を収穫します。その関係で、こんにゃくの花を見かける機会はかなり少ないと言われています。ただその花は腐ったような強烈な臭いを発することでも知られ、海外では「Devil's Tongue(悪魔の舌)」と呼ばれてしまうほどです。
なお、こんにゃくには「黒こんにゃく」と「白こんにゃく」の2種類に分けられ、それぞれ以下のような違いがあります。
◎黒こんにゃく
→こんにゃく芋の皮が混入したもの。近年はこんにゃく芋の皮ではなく、カジメやヒジキなどの海藻を意図的に混ぜ込んで黒くしている。西日本で多く消費される。
◎白こんにゃく
→こんにゃく芋の皮や海藻が混入していないもの。東日本で多く消費される。
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こんにゃくが低カロリーなのはなぜ?
概要欄でも触れた通り、私達がよく知るこんにゃくは芋(こんにゃく芋)を原料としています。ところが、こんにゃくのカロリーは100gあたりわずか5kcalほどしかありません。冒頭の記事で取り上げたきゅうりですら100gあたり14kcalなので、「こんにゃくはきゅうりをも超える低カロリー食品」と言うことになります。芋を原料としているのであれば、ジャガイモやさつまいもくらいのカロリーはありそうな気がするのですが…なぜこんにゃくはこんなに低カロリーなのでしょうか?
調べてみたところ、こんにゃく芋(およびこんにゃく)はグルコマンナンと呼ばれる食物繊維を主成分としていることがわかりました。通常の糖質であれば、これを体内で消化することでエネルギーへ変換するのですが…残念ながら人間にはグルコマンナンを消化する能力がありません。したがって、こんにゃくが低カロリーなのは「人間が体内でエネルギーに変換できないから」ということになります。
なお、寒天も人間には消化できない食物繊維(アガロースやアガロペクチン)を主成分としており、こんにゃくと同様に低カロリーな食品として扱われています。
【余談】透明な食品=低カロリー、という訳ではない!?
こんにゃくや寒天の例だけを見ると、あたかも「透明(半透明)な食品は総じて低カロリーなのでは?」というイメージを持ってしまいます。しかしながら、中には高カロリーな食品も含まれているため少し注意が必要です。
ここでは、透明な食材のカロリーを高い方から順に並べてみました(いずれも可食部100gあたり)。寒天・こんにゃく・中華クラゲあたりまでは低カロリーと言えそうですが…それ以外の食品は人間でも消化可能な糖類を主成分としていることから、総じて高カロリーであることがわかります。
・タピオカ(乾燥):346kcal
・春雨(乾燥):346kcal
・緑豆春雨(乾燥):344kcal
・水飴:328kcal
・わらびもち:169kcal
・くずきり:135kcal
・中華クラゲ:22kcal
・こんにゃく:5kcal
・寒天:3kcal