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【赤芽】刺身のつまに使われる「赤紫色の芽」の正体は?

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先日投稿した記事の中で、「刺身のつま」として使われる野菜についてご紹介しました。代表的なものとして大根、大葉、ニンジン、パセリなどを挙げましたが…実は敢えて触れなかったものが1つ存在します。それがこちらの「赤芽」と呼ばれる野菜です。

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その名の通り、赤い双葉を持つ小さな芽のようにも見えますが…その正体については(私も含め)あまりよく知らない方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、この赤芽の正体について少し調べてみることにしました。

 

 

赤芽とは?

赤芽(あかめ)とはヤナギタデの変種であるベニタデ(紅蓼)の芽のことで、芽蓼(めたで)と呼ばれることもあります。本葉が顔を出す前の新芽の摘み取ったもので、タデオナールと呼ばれる辛味成分を持ちます。そのピリッとした辛味が好まれ、薬味として刺身のつまなどに活用されています。赤芽の主な産地は福岡県で、国内生産量の約9割を占めています。福岡県の他には、大阪府などでも生産されています。

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なお今回は赤紫色のベニタデを取り上げていますが、ヤナギタデの一種には緑色の葉を持つアオタデ(青蓼)もあります。一般的にベニタデは白身魚に、アオタデは赤身魚に用いることが多いようです。

 

「蓼食う虫も好き好き」との関係性

「蓼食う虫も好き好き」ということわざがありますが、実はこちらもタデが関係しています。タデ(ヤナギタデ)の葉や茎には強い辛味がありますが、それでも好き好んで食べる虫は存在します。その様子から「辛いタデを食べる虫がいるように、人の好みもさまざまである」という意味合いも持つようになりました。

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なお「タデ」という名称についても、食べると口の中がただれるように辛いことが由来となっています(※口がただれる→タダレ→タデ)。

 

ヤナギタデ(柳蓼)の概要

最後に、今回登場したヤナギタデの概要についても簡単にご紹介いたします。

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科・属名:タデ科イヌタデ属

種別:一年草

花色:ピンク、白

花期:7〜10月

原産:ヨーロッパ

別名:タデ、ホンタデ、マタデなど

花言葉:節操、健康など

◎特徴:

ヨーロッパ原産の一年草で、日本では水辺を中心に全国各地に分布しています。タデ科イヌタデ科に属する植物は複数存在しますが、一般的に「タデ」と言うと本種を指すことが多いようです。また7〜10月頃に開花する花(集合花)はヤナギのように垂れ下がっており、その様子からヤナギタデと名付けられました。

私達の身の回りではイヌタデ(犬蓼)もよく見かけますが、以下の点でヤナギタデとは異なります。

・葉に辛味を持たない

・花色が濃い

・集合花が大きく垂れ下がることはない

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▲イヌタデ(参考)

 

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