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【雑談】線香の主原料について〜香りはどうやって付けているの?〜 - アタマの中は花畑
前回投稿した記事の中で、お盆を連想させるものとして線香を取り上げました(※もちろん、線香に関してはお盆以外の時期にも使いますが…)。線香はタブノキ(タブ粉)を主原料としており、香り付けとして白檀や沈香などの香料を混ぜ込んでいるとのことでした。
そして今回なのですが、同じく夏を連想させるものとして簾(すだれ)を取り上げたいと思います。連日の猛暑により、我が家では窓を締め切ってクーラーをガンガンに付けていますが…軒先にすだれが吊るされている光景は何だか涼しさを感じさせますよね。そんなすだれですが、一体どんな植物から作られているのでしょうか?
簾(すだれ)は何から作られているの?
早速結論から入りますが、すだれの主な原料は細く割った竹です(※竹のほか、葦(よし)や萩を用いることもあります)。細く切った竹を紐で編み、軒先などに吊るすことで日除けとして用いられます。日光を遮りながら風を通すため、涼しさを求める今の時期にぴったりです。また使用時に水をかけることで、室内に流れ込む風の温度を下げることもできます。
これまで夏の風物詩として重宝してきたすだれですが、近年は気温が上昇しつつあるため、過度な期待は禁物です。すだれだけでは耐えられない暑さになってしまった場合は、クーラーや扇風機も併用しながら暑さを凌ぐようにしましょう。
「すだれ」と「よしず」の違いは?
今回はすだれについて取り上げていますが、よく「よしず」と混同してしまうことがあります。すだれとよしずにはどちらも日光を遮り、風を通す効果がありますが、厳密には両者は別物です。両者の違いについて簡単に整理すると、以下のようになります。すだれは「竹で作った吊るすもの」、よしずは「葦で作った立て掛けるもの」と区別すれば覚えやすいでしょうか。
◎すだれの特徴(写真左)
・主に竹を原料としている
・軒先や天井に吊るして使用する
・よしずに比べて小さいものが多い
◎よしずの特徴(写真右)
・主に葦(よし)を原料としている(※)
・壁などに立て掛けて使用する
・すだれに比べて大きいものが多い
※立て掛けて使用するもの全般を立簾(たてす)と呼び、そのうち葦を原料とするものは葦簾(よしず)と呼び分けているようです。
竹の概要
最後に、すだれの主原料である竹(ここでは真竹(マダケ))の概要についてご紹介します。
科・属名:イネ科マダケ属(タケ亜科)
種別:(草でも木でもないが、特例的に木に分類されることが多い)
花色:─
花期:4〜5月
原産:中国、日本
別名:タケ、ニガタケ(苦竹)など
花言葉:不老長寿、哀れみ、同情など
◎特徴:
中国や日本を原産とする竹の一種で、日本では本州〜沖縄にかけて分布しています(※原産地に関しては諸説あります)。一般的によく知られた竹の1つで、竹と言えば本種を指すこともあります。120年に1度しか開花しないと言われるほど開花周期が長く、1度開花すると地下茎で繋がった株全体が枯れてしまいます。
よく笹と混同されますが、成長した時に、筍の皮が稈(かん)(※植物の茎や幹に該当する部分)から剥がれ落ちる点で見分けることができます。
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