アタマの中は花畑

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【松竹梅】松・竹・梅の格付けが誕生したのはなぜ?

今年も残すところあと1週間ほどとなり、我が家の周りでも正月に向けた準備が着々と進んでいます。中でも、神社の敷地内に飾られた門松はこの時期ならではです。

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門松と言えば「松竹梅」の3つが大抵使われていますが、これらの間には「松>竹>梅」の格付けが何となく行われていますよね。私が物心付いた頃からこの格付けがあったような気がしますが、そもそもどのような経緯で誕生したのでしょうか??

 

 

松の概要

(※ここでは黒松(クロマツ)の概要を掲載)

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科・属名:マツ科マツ属

種別:常緑高木

花色:─

花期:4〜5月

原産:日本、朝鮮半島など

別名:オマツ(雄松、男松)など

花言葉:不老長寿、哀れみ、同情など

◎特徴:

マツ科の常緑高木(常緑針葉樹)で、日本では本州〜九州の沿岸部に分布しています。その性質から、沿岸部の防風林・防砂林用としても多く植樹されています。赤松に比べて樹皮が黒ずんでいることからその名が付けられたとされ、こちらも自然環境下では樹高30〜40mに達することがあります。また、黒松も雌雄同株です。

◎黒松の概要は下記記事からの引用です

【松】赤松(アカマツ)と黒松(クロマツ)の違いについて〜松茸が生えるのはどっち?〜 - アタマの中は花畑

 

竹の概要

(※ここでは真竹(マダケ)の概要を掲載)

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科・属名:イネ科マダケ属(タケ亜科)

種別:(草でも木でもないが、特例的に木に分類されることが多い)

花色:─

花期:4〜5月

原産:中国、日本

別名:タケ、ニガタケ(苦竹)など

花言葉:不老長寿、哀れみ、同情など

◎特徴:

中国や日本を原産とする竹の一種で、日本では本州〜沖縄にかけて分布しています(※原産地に関しては諸説あります)。一般的によく知られた竹の1つで、竹と言えば本種を指すこともあります。120年に1度しか開花しないと言われるほど開花周期が長く、1度開花すると地下茎で繋がった株全体が枯れてしまいます。

よく笹と混同されますが、成長した時に、筍の皮が稈(かん)(※植物の茎や幹に該当する部分)から剥がれ落ちる点で見分けることができます。

◎関連記事はこちら

【雑談】笹と竹の違いについて〜両者は異なる植物?同じ植物?〜 - アタマの中は花畑

 

梅の概要

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科・属名:バラ科サクラ属

種別:落葉小高木

花色:白、桃、赤

花期:1〜3月

原産:中国

別名:好文木(コウブンボク)、風待草(カゼマチグサ)、春告草(ハルツゲグサ)など

花言葉:上品、高潔、忍耐など

◎特徴:

中国原産の落葉高木で、日本へは8世紀頃に伝来したと言われています。花を楽しむのはもちろんのこと、漢方薬(烏梅)の原料としても重宝されてきました。その後品種改良が進み、現在では300品種以上が流通しています。庭園などに欠かせない植物の一つですが、日本では人の手が入らないと育つことができず、自生することはほとんどありません。

未熟な実(青梅)は有毒成分を持ちますが、梅干しや梅酒に加工することで毒が抜け、美味しくいただくことができます。

◎梅の概要は下記記事からの引用です

【梅・桃・桜・杏子】ウメとモモとサクラとアンズの花の違いは? - アタマの中は花畑

 

「松竹梅」の由来は?

今回ご紹介した松・竹・梅の3つについて、日本では縁起物のイメージが強いですよね。冒頭で取り上げた門松のほか、着物や結納品などにもデザインされていることでお馴染みです。そんな「松竹梅」の3点セットは、一体どのようにして誕生したのでしょうか?

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その大元を辿ってみると、実は日本ではなく中国がルーツになっているのだそうです。その語源は「歳寒三友」という四字熟語で、これは「寒い冬の時期に使われる3つの画材」という意味合いを持ちます。冬と言えば多くの植物が葉や花を落としてしまうため、屋外で絵を描こうとしてもなかなか良い画材が見つからない季節だとも言えます。そんな中、松や竹は冬でも青々とした葉を茂らせ、梅は満開の花を咲かせることから画材として重宝されていました。

 

「歳寒三友=松竹梅」という文化が後に日本へと伝わるのですが…この時点では画材として重宝されていただけであり、縁起物としての意味合いは持っていませんでした。しかしながら、日本で以下のように解釈されることで、いつしか「松竹梅=縁起物」というイメージが定着していったようです。

◎松→寿命が長いため「長寿」の象徴

◎竹→生命力が高いため「子孫繁栄」の象徴

◎梅→寒い冬に開花するため「気高さ」の象徴

 

松・竹・梅の格付けが誕生したのはなぜ?

中国から日本へ伝わった頃は松・竹・梅の上下関係はなかったと言われていますが、現在では「松>竹>梅」の上下関係が何となくできています。イメージしやすいのがお寿司で、私が滅多に食べない高級なネタは「松」に多く、私がよく食べる安価なネタは「梅」に多く入っています。植物としての優劣は正直付けにくいですが、現在のような格付けが定着したのは一体なぜなのでしょうか?

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調べてみたところ、その起源は江戸時代まで遡ることがわかりました。当時、寿司屋や蕎麦屋では各メニューを特上・上・並と表現していましたが、この響きを綺麗にするために松・竹・梅をそれぞれ当てはめたのが最初だと言われています。

※なお上記はあくまでも一説であり、他にも以下のような説が挙げられています。

・縁起物として認識されたのが松→竹→梅の順番だったため

・並び替えた時に「松竹梅」が最も語呂が良かったため

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