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少し前に投稿した記事の中で「道端で見かける朝顔っぽい植物」についてご紹介しました。代表的な品種としてマメアサガオやアメリカアサガオを取り上げたのですが、実は1つだけ触れなかったものがあります。それがこちらのチョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)です。
(名前からして)朝顔と何かしらの関係性があることは間違いなさそうなのですが、どうも他の「朝顔達」と比べると違う見た目をしているんですよね。実際のところ、チョウセンアサガオは朝顔の仲間なのでしょうか?
チョウセンアサガオの概要
科・属名:ナス科チョウセンアサガオ属
種別:一年草または多年草
花色:白など
花期:7〜9月
原産:熱帯アメリカ(または熱帯アジア)
別名:ダツラ、ダチュラ、マンダラケ、キチガイナスビ、トランペットフラワーなど
花言葉:愛嬌、夢の中、偽りの魅力など
◎特徴:
熱帯アメリカ原産(熱帯アジアを原産とする説もあり)の多年草で、日本へは江戸時代に渡来しました。本州以南を中心に野生化している一方で、園芸用に品種改良されたものも多く流通しています。また有毒植物としても知られており、根をゴボウと間違えて食べてしまう事例が報告されています。
よく似た名前の植物としてキダチチョウセンアサガオが挙げられますが、両者には以下の違いがあり、基本的には別種として扱われます。
・チョウセンアサガオ
→上向きに花を咲かせる草(多年草)
・キダチチョウセンアサガオ
→下向きに花を咲かせる木(低木または高木)
▲キダチチョウセンアサガオ(参考)
チョウセンアサガオは朝顔の仲間なのか?
概要欄でも触れた通り、チョウセンアサガオはナス科チョウセンアサガオ属に属する植物です。対して、朝顔はヒルガオ科サツマイモ属に属するため、両者は全く別の植物ということになります。
それでは、どのような経緯でチョウセンアサガオと名付けられることになったのでしょうか?朝顔に似た花を咲かせることから「アサガオ」というのは何となく想像できるのですが…前半の「チョウセン」に関しては全く検討が付きません。原産地は熱帯アメリカであり、朝鮮とは何の関係もないはずなのですが。。。
この理由にについて調べてみたところ、チョウセンに関しては特定の地域を指しているのではなく、単に「海外から渡来したもの」という意味合いで付けられているようです。日本ではあまり見かけない花の形状をしていることから、海外から渡来した朝顔に似た花=チョウセンアサガオと名付けられた…という説が有力です。
キチガイナスビと呼ばれるのはなぜ?
チョウセンアサガオの中には園芸用の品種もあり、ダツラやダチュラといった名称で親しまれています。このように、チョウセンアサガオにはさまざまな別名があるのですが…中にはキチガイナスビ(気違い茄子)という何とも可哀想なものあります。思わず伏せ字にしてしまいそうな名称ですが、どうしてこのように呼ばれてしまうのでしょうか?
チョウセンアサガオは元々薬用植物として日本へ渡来した経緯があり、鎮痛、鎮静、鎮痙、咳止めなどに効果があると言われています(有用成分:アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン)。その一方で有毒植物という側面も持つため、適切な分量を守って摂取しないと狂躁状態に陥るリスクが高まります。このような理由から、かつてはキチガイナスビと呼ばれていたようです。
似たような名前を持つナス科の植物としては、以前の記事で取り上げたワルナスビが挙げられます。ワルナスビに関しては駆除が難しく、かつ農作物や家畜に悪影響を及ぼすことが由来とされていますが…どちらも人間の都合で命名されたものであり、植物自身に何も落ち度はない気がします。。。
▲ワルナスビの花(参考)
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