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【雑談】天津甘栗が甘いのはなぜ?

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先日の記事で「桃栗三年柿八年」ということわざをご紹介しましたが、今回はその中にも登場する栗に関する話題です。

私の実家には以前栗畑があり、毎年秋を迎えると家族総出で落ちた実を収穫していました。そのため栗を食べる機会が比較的多い家庭で育ってきたのですが…幼少期の私は実家で採れた栗よりも、市販の天津甘栗の方が好きでした。天津甘栗は皮が剥きやすいことに加えて、甘味が強いことが何より魅力的だったんですよね(※もちろん現在も好んで食べています)。

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前置きが長くなりましたが、ここからが今回のテーマです。幼少期の私を虜にした天津甘栗の「甘味」は品種本来の甘さなのでしょうか?あるいは、砂糖などによって意図的に味を付けたものなのでしょうか?

 

 

栗の概要

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科・属名:ブナ科クリ属

種別:落葉高木

花色:薄黄

花期:5〜6月

収穫期:9〜10月

原産:日本、朝鮮半島

別名:シバグリ、ヤマグリなど

花言葉:贅沢、私に対して公平であれなど

◎特徴:

日本や朝鮮半島を原産とする落葉高木で、日本では北海道〜九州にかけて分布しています。ブナ科の果実という点では、栗もドングリの一種に分類されることがあります。

現在日本で栽培されている栗(和栗)は野生種であるシバグリ・ヤマグリを品種改良したもので、野生種に比べて果実が大きい点が特徴です。このほか栽培地域によって、西洋栗・中国栗・アメリカ栗と呼ばれる品種もあります。

(※栗の概要は冒頭の関連記事からの引用です)

 

天津甘栗は「中国栗」

概要欄でも触れたとおり、栗は産地によって和栗・西洋栗・中国栗・アメリカ栗の4つに分類することができます。それぞれの特徴は以下のとおりです。天津甘栗はこのうち中国栗に当てはまり、渋皮がとても剥きやすい点も中国栗ならではの特徴です。

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◎和栗

・主に日本で栽培されている品種。果実が大きく、風味が強い点が特徴。一方で甘味はやや弱く、渋皮は剥きにくい。果肉は割れやすく、ホクホクとした食感がある。

◎西洋栗(洋栗)

・主にヨーロッパ〜西アジアで栽培されている品種。果実は和栗よりもやや小ぶりだが、果肉が締まっており渋皮は剥きやすい。果肉の粘り気が少ないため、食感はパサパサしている。一般的に「マロン」と呼ばれるのはこちら。

◎中国栗

・主に中国で栽培されている品種。果肉と渋皮が元々離れているため、渋皮がとても剥きやすい。果肉は締まっており、甘味が強い。

◎アメリカ栗

・主に北アメリカで栽培されている品種。甘味や風味が強いものの、日本でははほとんど流通していない(以前は日本でも栽培されていたが、病気が流行し激減)。果肉はパサパサとしており、渋皮は剥きやすい。

 

天津甘栗が甘いのはなぜ?

先程触れた通り、天津甘栗の原料である中国栗は元々甘味の強い品種です。天津甘栗が甘いのは中国栗を使っているから…というのも1つの理由なのですが、実は調理法も大きく関係しています。天津甘栗といえば中国栗と玉砂利(石)を撹拌させながら作るのが一般的ですが、石を使ってゆっくり加熱することで、果肉に含まれるデンプンがより効率的に甘味成分へと変換されます。

したがって天津甘栗が甘いのは「元々甘い栗をゆっくり加熱し、さらに甘味を強めているから」であり、石焼き芋が甘いのと理由は全く同じです。

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なお、天津甘栗を作る際に砂糖や水飴も使われていますが、果肉の甘さとは全く関係していません。砂糖や水飴には「熱した栗の皮が剥けにくくなる効果(爆発を防ぐ効果)」や「皮に光沢を付ける効果」があると言われていますが、これらの甘味が中まで染み込むことはほとんどありません。

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◎次回の記事はこちら

(栗関連でもう1記事投稿予定)

 


大実天津甘栗(中国栗大実系)《果樹苗》