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【豚草】ブタクサが花粉症を引き起こすのはなぜ?

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4年ほど前に花粉症に関する記事を投稿した際、「幸い私はまだ花粉症を発症していないのですが、いつか我が身にもやって来そうで戦々恐々としています」みたいなことを書いていたのですが…遂に今年、花粉症デビューしてしまいました。1月末に咳が止まらなくなり、気管支炎かな?と思って医師の診察を受けたところ、見事に花粉症と診断されてしまった形です。何とかスギ・ヒノキ花粉のピークを乗り切ることができましたが、来年からも春先が憂鬱になりそうです。。。

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さて、花粉症と言えばスギやヒノキ(北海道であればシラカバも)が有名ですが、これらに加えてブタクサと呼ばれる植物の花粉に悩まされる方も多いのではないでしょうか。花粉症界隈ではかなりの知名度(悪名?)を誇るブタクサですが、実際のところどんな植物なのでしょうか?

 

 

ブタクサの概要

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科・属名:キク科ブタクサ属

種別:一年草

花色:黄

花期:8〜10月

原産:北アメリカ

別名:ホッグウィード、ラグウィード、クワモドキなど

花言葉:幸せな恋、よりを戻すなど

◎特徴:

北アメリカ原産の帰化植物で、日本へは明治時代初期に渡来した後、北海道〜九州地方を中心に広く定着しています。繁殖力がとても強く、国内在来種を駆逐してしまう恐れがあることなどから、要注意外来生物に指定されています。花期や花の見た目からセイタカアワダチソウと混同されやすいですが、葉の形状などから見分けることができます(※ブタクサはヨモギのようなギザギザした葉、セイタカアワダチソウは笹のような真っ直ぐな葉を持つ)。

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▲セイタカアワダチソウ(参考)

 

名前の由来は?

ブタクサ(豚草)という名称は、英名の俗名であるHogweed(ホッグウィード、豚の雑草)に由来します。Hogweedの由来についてはあまりはっきりしていませんが、調べてみたところ以下の説が有力なようです。

・豚が好んで食べる雑草だから(豚に食べさせるような雑草だから)

・豚しか生息できないような荒地にも生える雑草だから

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また別名として知られる Ragweed(ラグウィード、ボロボロの雑草)に関しては、細かく切れ込みの入った葉がボロボロの布に見えることに由来しています。先程のHogweedも含め、あまり良い印象を持たれていなかったことが分かりますね。。。

 

ブタクサが花粉症を引き起こすのはなぜ?

冒頭でも触れた通り、ブタクサは花粉症を引き起こす植物としても知られ、その患者数はスギとヒノキに次いで多いと言われています。「花粉を作る草」という意味合いでは、ブタクサに限らず多くの植物に当てはまるはずですが…なぜブタクサだけこれほど多く取り上げられてしまうのでしょうか?

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こちらについても調べてみたところ、いくつか理由があることが分かりました。項目ごとに見ればそれぞれ多くの植物が当てはまるものの、これらの特徴全てを併せ持つのはブタクサだけ…ということになりそうです。

①花粉の量が多い

・ブタクサは、数ある植物の中でも特に花粉の量が多いことで知られています。さらに風によって花粉を運ぶ風媒花であるため、空中に多くの花粉を飛散させる分、人体に取り込まれる可能性も高くなります。

 

②花粉のサイズが小さい

・ブタクサ花粉は1粒1粒のサイズが小さく、スギ花粉やヒノキ花粉に比べて半分程度の大きさしかありません。花粉のサイズが小さければ空中に飛散しやすく(※)、人体に取り込まれる可能性も高くなります。

※実際には草丈(樹高)の違いにより、ブタクサに比べてスギやヒノキの方がより遠くまで花粉を飛散させます。ただ、ブタクサが花粉を遠くまで飛散させやすい植物であることには変わりありません。

 

③都市部にも多く分布する

・ブタクサはとても生命力が高く、都市部の空き地や道路脇でも多く見かけられます。人間の生活圏に近いところに分布していれば、当然人体に取り込まれる可能性も高くなります。

 

なお、概要欄で「ブタクサに似た植物」として挙げたセイタカアワダチソウに関しては、ほとんど花粉症を引き起こさないとされています。ブタクサとは異なり、セイタカアワダチソウは虫達によって花粉を運んでもらう性質を持つため(虫媒花)、花粉が人間の体内に入ってしまう確率は低いと考えられます。

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